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「iOS 7」無料アップデートは9月18日開始、新規端末はiWork/iPhotoなど無料

 米Appleは10日、iOSの最新バージョンとなる「iOS 7」を無料アップデートとして9月18日から提供すると発表した。

 無料アップデートが可能な機種は、iPhone 4/4S/5、iPad 2以上、iPad mini、iPod touch(第5世代)。ただし、iOS 7機能の一部は機種によって利用できないことがあるとしている。開発遅れが噂されていたiPad版も同時提供されることになる。

 10日には、iPhoneの新機種となる「iPhone 5S」と「iPhone 5C」が発表された。それに合わせてiOS端末(iPhone/iPad/iPod touch)の新規購入者に対し、iWork(ワープロのPages、スプレッドシートのNumbers、プレゼンテーションのKeynote)、動画編集のiMovie、写真編集のiPhotoを無料で提供することを発表した。

 9月1日以降にアクティベートされたiOS 7対応端末では、利用開始時点でこれらのアプリを利用するか決めることができる。なお、無料提供に期限が設けられているのか、また、既存iOS端末利用者にも無料提供されることがあり得るのかなど、発表時点では明らかになっていない点もある。

 これらアプリは、Pages、Numbers、Keynoteが各850円、iMovieとiPhotoは各450円で販売されているものだ。総額3450円相当のアプリが無料提供されることになる。

 新発表のiOS 7について、Appleシニアバイスプレジデントでソフトウェアエンジニアリング担当のCraig Federighi氏は、「iOS 7は全く新しいユーザーインターフェイスと、200以上の新機能によって完全に再設計されているため、全く新しい端末を手にするようなものだが、それでいてユーザーはこれまでのように即座に精通できるのだ」と説明した。また、来月にはiOS搭載端末の累計出荷台数が7億台を超える見込みであることも発表した。

 iOS 7は、iPhone 5Sの64ビット技術を活用するため、ネイティブな64ビットカーネル、ライブラリ、ドライバーを備える。ビルトインアプリは64ビットで再開発されたという。また開発者もXcodeにて、32ビットと64ビット両方のアプリをサポートできるようにしたとしている。

 iOS 7の200以上の新機能には、コントロールセンター、通知センター、マルチタスクの改良、AirDrop、カメラアプリの新フィルター、Photoアプリ、Safariの改良などが含まれている。

 発表会では、新しくなったSiriのデモが行われ、男性と女性の新しいクリアな音声が披露された。新しいSiriでは、Twitter検索、Wikipedia、Bingによるウェブ検索に対応した。デモでは「Lady Gagaは今どんなことを言っているの?」と尋ねると、Siriが自動的にTwitterを検索して最新のつぶやきを読み上げてくれる様子が披露された。

 新Siriは、iOS 7発表時点で米国英語、フランス語、ドイツ語のみに対応する。他の言語は追って追加されていくとしている。

 また、Appleの新しい無料インターネットラジオサービス「iTunes Radio」もiOS 7に搭載されるが、発表時点では米国内のみで提供されるとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)