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アナログとデジタルのかけ橋に~「ポスト・イット」Evernote Edition発売

「Evernoteプレミアム」1カ月分が付いてくる

 住友スリーエム株式会社は、「ポスト・イット 強粘着ノート Evernote Edition」を全国の文具店などで11月1日に発売すると発表した。ポスト・イットに書いたメモなどを撮影し、Evernoteで保存・管理・共有することを想定しており、「アナログとデジタルのかけ橋」になる製品だとしている。

ポスト・イット 強粘着ノート Evernote Edition

 用紙のサイズは75×75mmで、90枚×2パッド入りで630円。色はウルトライエロー、エレクトリックブルー、ローズ、ライムの4種類がある。また、各色が1パッドずつ入ったパッケージも1207円で販売する。いずれも、「Evernoteプレミアム」の1カ月分のコードが付いてくる。Evernoteプレミアムは、アップロード容量が月間1GBに増加するなどの上位機能が提供される有料サービスで、通常料金は月額450円。

 EvernoteのiOS向けクライアントアプリ最新版「Evernote for iOS 7」には、「ポスト・イット ノートカメラ」機能が搭載されており、一度に最大4枚のポスト・イットを撮影し、デジタル化してノート上に貼り付けた形で表示させる。同アプリでは、ポスト・イットの色ごとに例えばメモ、ToDo、リマインダー……というようにカテゴリー分けしてアクションを設定できるため、ポスト・イットに書き込む際に目的別に色を使い分ければ、アプリが色を自動認識し、特定のノートブックへの保存やタグの割当、リマインダーの追加など、簡単に整理・分類できるという。

 米Evernoteはこれまでも、手書きメモなどをデジタル化するのを前提とした紙のノート製品をモレスキンと協業して展開しているが、EvernoteのCEOであるフィル・リービン氏は、その協業から「ペーパーレスはゴールではない」ということを学んだという。

 リービン氏によると、Evernoteのようなデジタルテクノロジー企業のほとんどは当初、「紙はもういらない。デジタルがそれにとって代わる」というおごりがあると指摘する。しかし実際には多くの人が現在も毎日紙を使っているのが現実であり、デジタル時代にも紙を使い続けていくにあたり、紙の使い方をよりよく改善していくことこそが重要だと説明。そのための最新のパートナーシップが、ポスト・イットとの協業だとした。リービン氏は、ポスト・イットはシンプルであるがゆえに、誰でも瞬時に使い方が分かり、いつでもどこでも使える生産性に優れた製品だとし、同氏にとって「ひとつのヒーロー製品」と表現する。

 米3Mステショナリー&オフィスサプライ事業部担当副社長兼事業部長のジェシー・シン氏は、ポスト・イットは、アナログな方法で人のアイデアをとらえておくのにベストな製品だとする一方で、そのメモをデジタルな環境で保管・検索・共有できるようにしたいという要望があることも事実だと説明。Evernoteのエクスペリエンスは、ポスト・イットのシンプルさにぴったりだとしている。

Evernote CEOのフィル・リービン氏
3Mステショナリー&オフィスサプライ事業部担当副社長兼事業部長のジェシー・シン氏
ポスト・イットを4パッドまたは1パッド収納しておける卓上トレイも開発した(日本発売は未定)

(永沢 茂)