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BOOK☆WALKER、「青空文庫」をEPUB形式で配信開始、ダウンロードも可能

 株式会社ブックウォーカーは18日、同社が運営する電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」において、「青空文庫」の無料配信を開始したと発表した。また、青空文庫を支援するための「本の未来基金」へのポイント寄付の受付も開始した。

 青空文庫では、著作権の消滅した作品を中心に1万2000作品以上のデータを公開している。BOOK☆WALKERでは、これらの作品を独自にEPUB形式に変換して配信する。まずは約1500作品でスタートし、順次追加していく予定。ただし、EPUB形式への変換が難しい作品は配信されない場合があるとしている。

 BOOK☆WALKERでは、青空文庫の収録作品を通常の無料作品として配信するだけではなく、EPUBファイルそのもののダウンロード再配布も行う。ダウンロードにはBOOK☆WALKERへの会員登録が必要だが、ユーザーは好みのEPUB対応ビューアーで閲覧できる。学術研究のための電子書籍データ利用を促進する狙いもあるという。

 BOOK☆WALKERが配布する青空文庫のEPUBファイルは、「KADOKAWA-EPUB 制作仕様」に準拠したEPUB形式となる。同仕様は、日本電子書籍出版社協会の「EPUB3制作ガイド」をベースに策定されたもので、日本の電子書籍ストア各社が提供するビューアーでの版面再現性を考慮しているという。BOOK☆WALKERでは、同社以外の電子書籍ビューアーでも読まれることを想定し、この仕様を採用した。

 青空文庫の配信開始にあわせてBOOK☆WALKERで寄付の受付を開始した本の未来基金とは、ボランティアによって運営されている青空文庫の活動を支援するため、9月に設立されたもの。BOOK☆WALKERでは、ユーザーが電子書籍の購入などで貯まったポイントを同基金に寄付できるサービスを開始した。寄付されたポイントは1ポイント=0.5円換算でブックウォーカーから本の未来基金に寄付する。「青空文庫の理念に共感しその活動を支援したいと思う、少しでも多くの方々にご利用いただけるように、ポイント寄付は1ポイントから受け付けている」としている。

 このほかBOOK☆WALKERでは、青空文庫の特設ページも開設。青空文庫だけの人気ランキングや青空文庫専用の検索ボックスを用意した。また、青空文庫用の特製「きせかえ本棚」も提供する。

BOOK☆WALKERの青空文庫特設ページ

(永沢 茂)