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「青空文庫」をプリントオンデマンドで販売、判型・文字サイズを選択可能

 株式会社インプレスR&Dは27日、オンライン図書館「青空文庫」の蔵書をプリントオンデマンド(POD)で印刷・製本し、紙書籍として販売するサービス「青空文庫POD」を開始した。判型・文字サイズを3種類から選択できるのが特徴。価格は作品や判型に応じて異なるが、一例として、森鴎外の「山椒大夫」はポケット版およびシニア版が434円、大活字版が525円(いずれも税別)。Amazon.co.jpおよび三省堂書店オンデマンドにて注文を受け付ける。

「青空文庫POD」で提供される書籍のイメージ。左からポケット版、シニア版、大活字版

 青空文庫PODは、客の注文を受けてから実際の印刷を行うPOD方式のため、在庫を保有することなく、多種多様な紙版を発行できる。サービス開始当初は、夏目漱石ら著名作家29人の100タイトルのみを対象とするが、将来的には青空文庫に登録されている約1万2000点の作品を可能な限り全点、青空文庫PODで提供するようにしたいという。

 青空文庫の電子書籍データを紙版化するにあたっては、インプレスR&Dの自動組版技術を使っているが、これを応用し、各書籍の判型・文字サイズを選択できるようにしたのも大きな特徴。主にアクセシビリティへの配慮で、老眼、弱視の場合でも作品を楽しみやすくした。

 実際に提供されるサイズは3種類。ポケット版は文字サイズ9ポイントでA6変形判、シニア版は文字サイズ10.5ポイントで四六判、大活字版は文字サイズ22ポイントのB5判となっている。サイズに連動して、ページ数も異なる。なお、三省堂書店オンデマンドではポケット版は扱わない。

 青空文庫PODの売上の一部は青空文庫に還元される。また、制作過程で誤植や注記の不備が発見された場合は、青空文庫側へ情報のフィードバックを行うとしている。

判型および文字サイズの比較イメージ

(森田 秀一)