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「Xbox One」日本発売に向け、試遊台を500台規模で全国配備、魅力アピール
(2014/6/20 16:56)
日本マイクロソフト株式会社は20日、家庭用据置型ゲーム機「Xbox One」の日本国内展開について、発表会を開催した。9月4日の本体発売と同時に、合計29本のゲームがリリースされる予定。また、発売までに試遊台を500台規模で全国展開し、ゲームだけでない“総合的エンターテイメントマシン”としての魅力をアピールしていく。
IEをスナップすれば、ゲーム画面を見ながらウェブ閲覧OK
発表会では、日本マイクロソフトの泉水敬氏(執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネスゼネラルマネージャー)がプレゼンテーションを行った。「2013年11月に海外13カ国で発売したXbox Oneだが、その販売ペースは(前機種の)Xbox 360を上回っている」と説明。ライバル機種であるPlayStation 4と比較されがちなものの、販売そのものは順調であるとアピールした。
また、マイクロソフトは初代Xboxから連なるゲーム機ビジネスにおいて、一貫して「新しいゲーム体験の提供」を使命として掲げており、Xbox Oneにおいてもそれを継承・強化したという。ゲーム機としての映像・音響機能を向上させた一方で、クラウド技術も活用。対戦プレイにおいて、より公平なマッチングをホストする目的でも、クラウドが活かされているとした。
さまざまなエンターテインメントをXbox Oneで一元的に楽しめるのも特徴。例えば、本体背面のHDMI入力に別売のハードディスクレコーダーなどを接続すれば、放送や録画番組の視聴をXbox Oneのユーザーインターフェイスで操作できる。これにより、カメラ型周辺機器「Kinect」との併用による、音声コントロールなども実現したという。
泉水氏はここでXbox One実機を使ったデモを披露。「Xbox、オン」と喋るだけで本体の電源を入れたり、顔認識技術をベースとした自動ログインなどを実演した。外部接続したテレビの視聴画面や、フレンド機能なども音声で呼び出せる。
音声コントロールはゲームをプレイ中でも利用可能。泉水氏がレースゲームをコントローラーでプレイしながら「Xbox、今のをとる」と喋ると、直前の30秒間のゲームプレイ動画が保存された。また、「Xbox、Internet Explorer(IE)をスナップ」と声で命令すると、ゲームを表示したまま画面右側でブラウザーが起動した。泉水氏は「ゲームをプレイしながら、そのゲームの公式サイトや攻略サイトをチェックできる」とし、外部機器を含めたさまざまな要素がXbox Oneのインターフェイスに統合されることで、多くのメリットが生まれるとした。
Xbox Oneは6月21日から予約受付を開始する。製品パッケージは3種類で、発売記念の数量限定版「Day One エディション」はKinectおよびゲーム2本同梱で4万9980円。通常版にあたる「Xbox One」(kinect非同梱)は3万9980円、「Xbox One + Kinect」は4万9980円(いずれも税別参考価格)。
ゲーム以外にアプリも充実、カラオケ@DAM、出前館、Jリーグ動画など
説明会では、9月4日のXbox One本体同時発売ゲームなどのプロモーション映像や、開発者によるビデオコメントなどが上映された。株式会社セガからは取締役CCOである名越稔洋氏がゲストとして登壇。「マイクロソフトは世界中で通用する“Windows”という強力な製品を持っている。これに絡めた機能やサービスを使って、(Xbox Oneでも)新しいエンターテインメントが提供できるのではないか」と挨拶。ゲーム用OSだけでなく、Windows 8と親和性の高い別OSが動作するというXbox Oneの特徴を活かしたゲーム作りに期待を示していた。
Xbox Oneでは、ゲーム以外に「アプリ」を実行させることができる。ブラウザーのIEもアプリの一種であり、その他のアプリについても同様にスナップさせることで、ゲームとの2画面表示を実現した。
アプリのラインナップには、日本向けのものも多数ある。すでに「niconico(仮称)」(ニコニコ動画)のアプリが発表されているが、このほかにも「カラオケ@DAM」「出前館」や、ファッションコーディネートサービスの「WEAR」など実用系のコンテンツも揃う。また、楽天もXbox One向けのアプリを提供予定という。
動画配信サービスなどもアプリによって提供できる。「Jリーグ動画アーカイブス」では、1993年のJリーグ開幕からの試合映像が視聴できる。説明会のゲストとして参加した女優の足立梨花さんは「2010年からJリーグのPR大使として活動しているが、それより以前の試合はあまり見られていない。ぜひそういった試合の名場面を見られれば」と笑顔で語っていた。
一方、Xbox Oneのプロモーションにも今後注力する。泉水氏は「Xbox Oneならではのゲーム体験と、アプリによる付加価値を合わせて提供できるXbox Oneは、エンターテインメントを楽しむための最高のプラットフォーム」とアピールしつつも、ゲームファンなどとのコミュニケーションが重要としており、小売店店頭などでの販売サポート体制も強化する。
具体的には、全国で500台の試遊台を配備し、発売までに延べ100日程度の体験会を実施予定という。「販売員のトレーニングもイベントも積極的に進める。ユーザーの皆さんには、まずXbox Oneを体験して、ご理解いただきたい」(泉水氏)。