皆さんこんにちは。創業当時からの習慣なのですが、毎年ゴールデンウィークには1年間に刊行された「バガボンド」をマンガ喫茶に篭って読むようにしています。起業を志す方は、非常に勇気づけられる作品ですので一度通読されることをおすすめします。
■ホームページを検索ポータルに設定する
仕事用の2台のPCのうち、サブの1台のホームページをiGoogleに変えました。以前は2台ともYahoo!をホームページにしていたのですが、興味深かったため、誘惑に負けて変えた次第です。
ホームページなんて自分の好きなものを使えばいいじゃないか、なんて思うかもしれませんが、SEO屋の場合にはこのホームページに何を選ぶかが、技量の熟達に直結しています。私は正直なところ、Yahoo!の検索は好きではありません。私が創業した当時は、ロボット型検索と言えばGoogle。Yahoo!は、厚いカテゴリの壁に阻まれてSEOの入り込む隙はありませんでした。当然使用する検索エンジンもGoogleになります。
しかし、Yahoo!が完全ロボット型検索となってからは、Yahoo!の検索に慣れ親しめるよう、ホームページをYahoo!に変えることにしました。SEOを学ぶ近道は、その検索エンジンを使い倒すことに限ります。個人でSEOをなさっていて、Yahoo!で上がらないとお嘆きの方にお聞きすると、案の定ホームページがGoogleになっていたりします。
同様に、私のブラウザは2台ともIEです。どんなに周りから勧められてもFirefoxは使いませんでした。確かにFirefoxの方が表示エラーは少ないようです。しかし、それは裏を返せば「大多数の人がいまだ使っているIEというブラウザで表示エラーが出ていても気付かない」ということになるのです。これは問題です。
さて、そんな私がなぜサブのホームページをiGoogleにしたかというお話ですが「胸がときめくから」というのが一番の大きな理由です。人それぞれ、パソコンやインターネットのサービスに対して萌えるポイントというのは異なると思いますが、初めてPCをインターネットに繋いだ時と同様、検索エンジンのパーソナライズというテーマに本格的に取り組むGoogleに対し、大きな展望を感じずにはいられませんでした。
もう1つの理由として、Yahoo!のアルゴリズムをある程度見切った、というところがあるのも事実です。私だけでなく、近ごろYahoo!の方程式を解いた多くの方がこの印象を受けているのではないでしょうか。
もっとも、これもあくまでこの瞬間に限ったお話で、明日はどうなるかわかりません。
SEOビジネスをしている同業者では、「コアなところは従業員にも教えない」というポリシーのところもあるようですが、はたしてそんな必要があるのでしょうか。あくまでそれは現在に限り有効なノウハウです。今後状況が変わってそのノウハウが使えなくなれば、それでおしまいです。
本当に価値のあるSEOエンジニアというのは、変化に対応できる能力がある人のことを言います。私たちは現状を改善するだけのために、対価をいただいているわけではありません。未来に適応する能力にこそ価値があるのです。ですから、誰かにノウハウを盗まれるんじゃないかとか、そんなことを気にする必要はないのです。どうせすぐに使えなくなるのですから。
■モバイルSEOのヒント
未来への投資、という意味で今もっとも熱いソリューションはモバイルSEOです。今回もまたモバイルSEOのヒントを1つご紹介します。
Googleをモバイルで利用すると、PC用のWebサイトをモバイルで見やすいように自動変換してくれます。これはこの連載を読んでいただいている読者の皆さんにはすでにお馴染みでしょう。
実際のところ、この使い勝手ですが、試しに弊社のWebサイトを閲覧すると、読めないということはないものの利便性はいまいちと感じられます。
ここで「ふーん」で終わってしまいそうですが、もう少し好奇心を持って探求してみることにします。
実は、この自動変換プログラムは「Google Mobile Proxy」という名前で一般に公開されています。http://www.google.co.jp/gwt/n
これを使うことによって、どのようなソースで変換されているのか、読むことができるのです。もうおわかりと思いますが、Googleが変換しているモバイル向けのHTMLソースの書式が、Google携帯検索対策にとって参考にならないはずがありません。
もう1つ、面白い現象があります。
実は上のツールを使わなくとも< http://www.google.co.jp/imode >こちらのURLからWebにチェックを入れて検索し、その結果をクリックすれば、変換されたページを見ることができます。しかしソースを開くと、上のツールで変換された結果と微妙に違うのです。
2つを見比べると、< http://www.google.co.jp/gwt/n >までのURLは同じで、そこから先のパラメータが異なっています。
前者のURLは、「?」以後の短い、とてもシンプルなURLとなっています。
http://www.google.co.jp/gwt/n?u=http%3A%2F%2Fwww.roitime.com
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これに対して、後者は「SEO」というキーワードで検索し表示したものですが、上のURLに比べると、「?」以後のパラメータの長い、長いURLとなります。
http://www.google.co.jp/gwt/n? mrestrict=chtml&site=search&q= seo&source=m&output=chtml&hl=ja&ei=G51QRpCjOKSUqAOu5rmcAg&ct=res&cd=2&rd=1&
u=http%3A%2F%2Fwww.roitime.com%2F
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前者はXHTMLで記述され、後者はCompact HTMLで記述されているのが大きな違いと言えるでしょう。
さて、後者のパラメータにある「chtml」という部分を消して見ましょう。なんと書式が前者と同じXHTMLになります。
Googleでは、モバイルのスタンダードな書式をXHTML Mobile 1.0と定め、これに対応出来ない古いモバイルや、イレギュラーな端末からのアクセスの際にはCompact HTMLなどのより汎用的な書式で対応しているようです。
メインの書式をXHTMLとするか、CHTMLに変えるかは悩みどころだと思いますが、Googleの考え方に合わせるということであれば、XHTML Mobile 1.0が理想的であろうと推測されます。
今後モバイルSEOを成功させるには、現在のモバイル検索の精度の低さを鑑み「私ならこういうエンジンの仕様にする」というくらいのクリエイティビティーで、先読みの投資をしておく必要がありそうです。
(2007/05/29)
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田村昌士(たむら・まさし)
SEOコンサルタント。PC向け、モバイル向け共に、SEO対策研究の先駆者として活躍。著書に「プロとして恥ずかしくないWEBデザインの大原則
-改訂版-」(共著)等がある。SEO対策の専門家として今まで数多くの企業にソリューションを提供。モバイルSEOは2004年から研究を開始。
(プロフィール最終更新:2009/04/09)
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