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■最近のヤフー、Google検索結果について
最近の検索結果について少し観察してみましょう。
検索結果で、PDFファイルの表示されることが多くなったように感じます。たしかに、PDFファイルにはアフィリエイトのために作ったブログやSEO目的だけで構築したダミーサイトなどの類は一切ないでしょう。学術的な内容をはじめとして、有益な情報が多いのも事実です。Yahoo!やGoogleはもしかして、それらの点に着目しているのかもしれません。
さて、Googleでは誤字や、文字の揺らぎも随分と補正されるようになってきました。
「シマンテック」で検索するとSymantecがちゃんと太字で表示されます。また「軍鶏の喧嘩」でぐぐると、「シャモのケンカ」が1位に出ます。 極めつけは「himo付けられて」と打ち込むと、ちゃんと「ひも付けられて」というキーワードが上位に表示されることです。
このようなアルゴリズムは、Yahoo!ではまだ実装されていません。「himo付けられて」と打ち込んだ時に出てくる検索結果を見れば、ふだん使っていても差異がわかりにくいYahoo!とGoogleの技術力の差を実感することができます。
Yahoo!で上位表示されるというのはビジネス上望ましいことですが、同時にGoogleでも一定の評価を得られているかは、確認してみてください。スパムフィルターがより厳しいのはGoogleです。
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Google検索で「himo付けられて」と入力した検索結果。「himo付けられて」が「ひも付けられて」と同意であると解析されていることがわかる
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Yahoo!検索で「himo付けられて」と入力した検索結果。この結果は「himo」と「付けられて」の間にスペースを入れて検索した場合とまったく同じで、「himo」+「付けられて」でand検索されていることがわかる
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■“遊び心”を持とう
なぜこんなことに気が付くのですか、と聞かれることがあります。それに対して私は、「検索エンジンと戯れる“遊び心”を持って接しているから」とお答えしています。
Yahoo!は、今回そのインターフェイスを変更したわけですが、これでシェアが上がったか、それとも下がったのかは気になるところです。
Yahoo!をブラウザのホームページに指定していた理由として、「慣れ親しんだユーザーインターフェイスが変わることに対する抵抗感から」という方も少なからず存在していたと思います。
私も、iGoogleに慣れるまでは少し時間がかかりました。しかし、いったん慣れてしまうと、もうYahoo!には戻れなくなります。
もし私がYahoo!の検索結果に不満を持ち、単に慣れ親しんだサイトだから、という理由でホームページに設定していたとしたら、この機会にGoogleに乗り換えたかもしれません。
逆に、今回Yahoo!のユーザーインターフェイスが変わったのでGoogleから乗り換えた、という方は何人いるでしょうか。進歩はしなければなりませんので、痛し痒しといったところなのかもしれません。
■難しいキーワードは、マイナー系検索エンジンも駆使してみる
百度が本格的に日本市場に参入してきました。彼らの売り文句は「ダブルバイト圏で養われた検索精度の高さ」のようですが、競争があるというのは良いことです。
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中国ではGoogle、Yahoo!を押さえて市場シェアトップの「百度(Baidu)」の日本版。日本本格進出発表と同時にブログ検索機能が追加されたほか、画像検索にアルバム表示機能なども追加。トップページもGoogle同様のシンプルなものから、話題の画像や動画を表示するデザインに変更された
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SEOしても意味がない、という理由でマイナー検索エンジンはスルーされてしまいがちですが、検索結果の違いを楽しむという“遊び感覚”で、いろいろとサーチしてみることで学びを得ることができます。
実用的な見地から例を申しますと、相互リンク募集サイトをいかに発見するか、という問題が挙げられるでしょう。
相互リンクサイトを探すのであれば「相互リンク募集」といったキーワードで検索するのは誰しも同じことです。当然あなたのライバルもYahoo!やGoogleでそのように調べているはずです。
では一体どこで差をつければ良いのでしょうか。
私の場合、難しいキーワードであればマイナー系検索エンジンも駆使して、情報を引き出すよう心がけています。シェアに関わらず、各々のエンジンが持つデータ量は膨大です。検索結果の細部はそれぞれ違いますから、その鼻の差を利用して対抗馬に勝つ、そうした気構えがあなたのSEOを成功に導きます。
SEOを行なうためのキーワード選びの基本は、需要(検索ニーズ)と供給(ライバル)を見ることですが、検索エンジンで遊んでいる時に、ふとしたことに気付きました。
それは、単体では全く役に立たないと思われるキーワードなのですが、クロスメディアを視野に入れることで面白いプロモーションとなる可能性のあるものです。
■一文字SEO
実用性はさておき、思考の遊びとして1つご説明したいと思います。
「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」というCMがあります。昔は、文明堂の電話番号が市内局番の次が0002番だったため、電話交換手に「2番」と番号を告げれば文明堂に繋がったそうです。当時複数の市内局番で文明堂が0002番を取得した経緯までは私にはわかりかねますが、当時としては面白いマーケティング手法だったと言えるでしょう。電話番号が「2」なら絶対に忘れません。
さて、インターネット時代の今日、同様のテクニックは再現できないものでしょうか。そこで私が思いついたのは「一文字SEO」です。とはいえ、数字であればあまりに膨大な検索結果となってしまいますから、ひらがなを検討してみることにしました。
例えば、グーグルで「い」と打ち込んでみましょう。一番上には、ページランク3のブログが出てきます。
キーワードを検討する上で、そのサイトの構えとページランクを見てこれはいけそうだ、あれはダメだと判断されている方は多いと思いますが「い」は意外といけそうな気がします。
例えば「いちよし証券」と言う会社がありますが、CMで「詳しくは『い』で検索してね」と放送すれば大きなインパクトを視聴者に与えることができそうですし、「い」なら絶対に忘れないでしょう。
検索エンジンの世界のみで完結するプロモーションであれば、ひらがな一文字ではほとんど利用価値がありません。しかし、クロスメディアを視野に入れることで、文字の持つ価値が変わるのです。
何を言いたいかというと、この提案の具体的実効性というより、広い視野と柔軟な頭、既成概念にとらわれない自由な発想、すなわち「遊び心」が重要であるとお伝えしたいのです。もし、一文字SEOに興味があれば、当社にお問い合わせください。
■「3倍遊ぶために3倍働け」
「3倍遊ぶために3倍働け」というのは故・武井保雄氏の言葉ですが「3倍~」という部分より「遊びながら働け」とは言っていないことがミソだと私は思っています。
SEOを研究するならたくさんのウェブサイトをサーフィンすることになりますが、ネット上には面白いサイトが数多くあって、つい横道にそれてしまいがちです。
それを我慢してビジネスに徹する心構えが、作業の能率アップに繋がります。
遊び心を持つことは大切ですが、遊び呆けることとはまた別です。
今回は「遊ぶ」というキーワードを多用しましたが、言葉というのは同じものを指しているようで全く異なる意味を持つ時もあり、注意が必要です。
(2008/03/03)
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田村昌士(たむら・まさし)
SEOコンサルタント。PC向け、モバイル向け共に、SEO対策研究の先駆者として活躍。著書に「プロとして恥ずかしくないWEBデザインの大原則
-改訂版-」(共著)等がある。SEO対策の専門家として今まで数多くの企業にソリューションを提供。モバイルSEOは2004年から研究を開始。
(プロフィール最終更新:2009/04/09)
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