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[2004/12/27]
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[2004/12/22]
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[2004/12/20]
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[2004/12/16]
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[2004/12/10]
第2回:数十人のサーファーが支えるYahoo!のディレクトリ検索を使いこなす
[2004/12/03]
第1回:Yahoo!検索の現在・過去・そして今後
[2004/11/26]

Yahoo!の検索ビジネス戦略を探る

第2回:数十人のサーファーが支えるYahoo!のディレクトリ検索を使いこなす
〜検索の鉄人、関 裕司氏に聞く


 月間249億500万ページビュー、ユニークユーザー数約3,931万人と推定される国内最大のポータルサイト、「Yahoo! JAPAN」。キーマンへのインタビューを通じてYahoo!検索に迫る本連載の第2回目は、1997年に検索テクニックを競うコンテスト「検索の鉄人」に優勝した経験を持つリスティング事業部サーファー部の関裕司氏にお話をお伺いした。


サーファーの仕事とは?

「検索の鉄人」優勝経験を持つ、リスティング事業部サーファー部の関裕司氏

――現在、携わられている業務についてまずお聞かせください。

関:サーファーとして、日々、膨大な数が来るディレクトリサービスへの登録依頼に対して、実際にサイトを見た上で登録するか否かを決めていくのがメインの仕事になります。

――Yahoo! JAPAN全体で1日どのくらいのサイトが登録されているのでしょうか。

関:1日およそ数百のサイトを登録しています。毎日このくらいのペースで登録作業を行なっているディレクトリサービスは、おそらくほかにはないでしょうね。実際にWebページを見て、登録するサイトを決定したり、カテゴリの作成や削除などの作業を行なう人間をサーファーと呼びますが、それぞれ、得意分野を持っています。得意分野の情報、プレスリリースやニュースなど、最新情報を常にチェックして適宜、サイトを登録していきます。今現在登録されているサイトの総数は40万件以上になっています。

――今年、急に登録数が伸びたカテゴリはありますか?

関:今年ですと、夏に台風が各地に大きな被害を残しましたし、10月に起こった新潟中越地震も規模の大きな災害でしたので、関連のカテゴリを専門に設けて、関連のサイトを集めましたね。

 登録依頼で多いのはブログです。内容がよほど充実していないと、なかなか登録するのは難しいのですが、登録依頼自体の数は現在、圧倒的に多い状況です。

Yahoo! JAPAN
http://www.yahoo.co.jp/
新潟県中越地震のカテゴリには、59サイトが登録されている(12月2日現在)

――サーファーの方はサイトの登録やカテゴリを追加するとき、上司の許可を得たりする必要があるのでしょうか?

関:原則的には相談は一切しません。それぞれのサーファーの裁量に任されている形になります。サーファーはそれぞれが得意なジャンルを持っています。登録依頼に対してはある程度このジャンルは誰、という役割分担が決まっていますが、サーファーの意志で登録する場合は、とくに明確にジャンルの分担というのは設けていません。気に入ったサイトであれば、特に詳しくない分野のサイトでも登録することは可能です。すべてのサーファーにデータベースを書き換える権限を与えていますから。気付いたときに、その場でやる、これがルールです。

――カテゴリの増減は、一定のポリシーの下にやっているのですか?

関:カテゴリについては、まだ流行していなくても、今後伸びそうなジャンルであれば積極的に登録しますし、逆に昔は流行ってはいたが、今はすたれてしまったので、カテゴリも登録サイトもすべて削除する、というケースもあります。ジャンルそのものの呼び名が変わってきた時は、ジャンル名を変えることもありますね。あとは、たとえば、今このカテゴリにはサイトが4つしかない、というような状況の場合、一気に丸1日や半日かけて有用なサイトを探し出し、登録するといったことはあります。

――サーファーおすすめのコーナーはどこでしょうか?

関:ぜひ「新着情報」のコーナーを毎日チェックしていただきたいですね。以前は1日1回の更新でしたが、今は動的に追加できる仕組みにしました。最近面白かったのは、日本にいるラクダ使いさんのWebページ「Camer Service Japan」です。日本人でそういう職業に就いている人がいるのかと驚きました。ここに行けば、テレビの出演やラクダの貸し出しも受け付けてくれるそうです(笑)。

 新着情報の左脇を見ていただくと、検索ワードのランキングを表示しています。これはただ検索された回数の順番ではなく、前日からどのくらいの割合で増えているか、というのが重視されたポイントなんです。こうすることによって今、ホットな話題がわかりますよ。

――Yahoo! JAPANにリンクが張られると、中には、アクセスが集中して繋がらなくなってしまうサイトもあるのでは?

関:そうなんです。サーバーのキャパシティが低いと、アクセスが殺到して繋がらなくなってしまうことはよくあります。以前、学生さんが運営されている無料ホームページスペースを紹介したら、アクセスが殺到してその日のうちに別のサーバーにお引っ越し、ということがありました。しかし、我々もそこで終われませんから、また新しいアドレスに書き換えるのです。そういった意味では、登録したサイトをきちんとウォッチして、家に帰った後や翌日にも、きちんと繋がるかどうか確かめるのもサーファーの仕事の1つですね。ちなみに、新着オススメに掲載されると、1日に数千のアクセスが来るようです。

 ちなみにオススメと言うことであれば、サングラスのアイコン、クールマークがついたサイトは本当に極めつけのサイトです。それぞれのカテゴリの中で一番オススメのサイトだけに付ける印です。ぜひサングラスのアイコンがついたサイトはチェックして頂きたいです。ちなみに、私の個人サイトは以前、クールマークが付いていたんですが、最近はずれてしまって……悔しいですね(笑)。

新着情報
http://picks.dir.yahoo.co.jp/

関氏が「ぜひ見てほしい」という新着情報ページ。左側の赤丸部分が検索ワードランキング
このサングラスのアイコンが、サーファーが厳選したオススメサイトにのみ付けられる「クールマーク」


鉄人が教えるプロの検索テクニック

――ディレクトリサービスを使う上でテクニックというものがあったら教えてください。

関:ポイントは、シンプルな検索語を1語だけ使う、ということ。それと、なるべく専門用語は使わない。メジャーな言葉であればカテゴリが用意されているでしょう。そうでなくてもメジャーなサイトはおおよそ上のほうに出てくるはずです。情報を集めたいときは、まずあまり絞り込まずに検索する、ということも重要なのです。

 ディレクトリサービスで活用していただきたいのは、右上の部分にある「ダイジェスト」「カテゴリ」「サイト」「ページ」と並んでいるテキストリンクです。これをいかに活用するかで効率がぐっと上がります。ある程度メジャーな検索語を入れて、カテゴリからの検索を狙っているなら、検索語を入れて「カテゴリ」をクリックすればいいですし、各サイトの要約を見ながら探したければ、「サイト」をクリックすればいい。さらに、「電話帳」というのもありますがこれは使えます。中小企業についてを調べようと思ったら、サイトがなかった、といった時にもあきらめずにここをクリックすれば連絡先が出てくるケースもよくあります。

 あと、これはTipsに属するようなことですが、ディレクトリに登録されているカテゴリやサイト名はかならずひらがなでも登録されているんです。漢字や表記に自信がないときはムリに入力しないで、ひらがなで入れてやれば何の過不足もなく表示されるはずです。また、完全に語句が一致しなくてもカテゴリを表示する仕組みもありますね。WeblogとBlogとブログ、どれを入力しても「ウェブログ」というカテゴリが検索されるはずですよ。

 さらにもうひとつ。地域限定の情報を検索するときに有効な技ですが、地域情報の都道府県や市町村をクリックすると、トップページと同じページ構成でカテゴリが表示されるのです。各カテゴリへの登録件数も、その地域のみに絞った場合の数が反映されています。つまり、トップページと同じ使い勝手を維持したまま、特定の都道府県や市町村に限定して検索できるのです。ある程度、目的の場所が絞れているなら、地域情報から検索するのはムダな検索結果が省けてとても効率がいい方法だと思います。

――ページ検索については、なにかテクニックはありますか?

関:たとえば、東京にある専門学校の一覧を表示させたいとします。すると、普通は「東京 専門学校 住所 一覧」というような用語を検索語として入れると思うんです。しかし、これだとただ学校の名前を羅列しただけのページや、特定の専門学校のページであるとか、欲しい情報がなかなか出てこないのです。

 ここで、これまでの発想を逆転させるのです。つまり、自分の欲しい情報が載っているページをイメージして、そのようなページにしか含まれていないであろう用語を、検索語として入れると求める結果が得やすいんですね。自分の欲しいと思っている住所リストには、まず間違いなく渋谷区や港区や新宿区という言葉は入っているだろう、と想像して「専門学校」のほかに、「渋谷区」とか、「港区」「新宿区」などと入れてやればよいのです。

 もっと精度を上げたかったら、住所に特有の文字、たとえば「町」といった文字をいれてもいいかもしれません。「都内」や「一覧」という表現は、必ずしも使われているとは限りません。ひょっとしたら「東京都」かもしれないですし「リスト」という言葉を使っているかもしれない。ページのタイトルを想像して検索語を入れるのではなく、ページの中身を想像して検索を入れる、それが検索精度を上げるコツになります。

「ダイジェスト」「カテゴリ」「サイト」「ページ」……と並ぶ、赤丸で囲んだ部分が関氏が「活用してほしい」という便利機能だ。たとえば、社名を入れて「電話番号」をクリックすると、一致する社名と電話番号、住所などが一覧表示されるのは非常に役立つ 地域が特定できる場合に有効なのが、市区町村名のカテゴリからの検索だ。「千代田区」のカテゴリにアクセスすると、トップページと同じ構成でカテゴリトップが表示されるので、ここから「グルメ」「病院」などへジャンプすると、必要な地域の検索結果だけが得られる


使い勝手を上げるための工夫

――Yahoo! JAPANにはさまざまなサービスがありますが、検索結果とどのようにリンクさせているのでしょうか。

関:キーワード検索をすると、キーワードに沿った自社のサービスが表示されます。実はこの部分は、スタッフがひとつひとつ、この検索語にはこのサービス、と判断しながら作業をしているのです。

 「新着情報」から右上にある「Yahoo!サービス」をクリックすると、Yahoo! JAPANに新たに追加されたサービスや、新機能が紹介されています。膨大なYahoo! JAPANのサービスを使いこなすためにも、ぜひ見ていただきたいところですね。常にYahoo! JAPANが進化していることを実感していただけると思います。

 ちなみにYahoo! JAPANにはさまざまなサービスがありますが、たとえばYahoo!グルメでいうと、このページ内すべてをYahoo!グルメの担当者だけが作っているわけではありません。左側の部分に貼られている「ショッピング」や「カテゴリ」「コミュニティー」といった自社サービスへのリンクを選ぶのはサーファーの仕事です。携帯電話向けの作業はまた別のチームがやっているなど、いろいろなチームの共同作業で、使いやすいコンテンツを目指しているのです。

――最後にもうひとつほど、オススメを教えてください。

 最近、毎日サーファーが交代で書く「波乗り日記」というコーナーを新着情報のページに作りました。これは個人の趣味を全面に押し出した内容で、サーファーの個性がわかるかと思います。こちらも読んでいただけると嬉しいですね。

――ありがとうございました。


□Yahoo! JAPAN
http://www.yahoo.co.jp/
□Yahoo! 新着情報
http://picks.dir.yahoo.co.jp/
□Yahoo!知恵袋
http://knowledge.yahoo.co.jp/

[2004/12/03  取材・執筆:伊藤大地]


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