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【業界動向】

パブリックコメントの募集結果もまとまる

不正アクセス対策で“新法”制定へ
郵政省と警察庁が合意

■URL
http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990107j601.html (郵政省)

 郵政省と警察庁は、コンピュータネットワークの不正アクセス対策について、新法の制定へ向けて共同で法律案を作成することで合意した。既存法の改正で対応するとしていた郵政省が、新法制定を目指す警察庁に歩み寄る形となった。

 両省庁はすでに昨年11月、それぞれ独自の素案を発表(本誌'98年11月26日号参照)しており、今後、方針に隔たりのあるログの保存義務や対象範囲などにおいて調整を進めていく。

 両省庁はまた、不正アクセス対策法制について一般から募集していたパブリックコメントの集計結果をまとめた。それぞれWebサイト上で公開した素案に対し、郵政省に56件、警察庁に196件のコメントが寄せられた。郵政省の集計結果は、同省のWebサイトでも閲覧できる。

 郵政省の結果を見ると、「もう少し時間をかけて慎重に法制を検討すべき」という意見はあるものの、不正アクセス対策の法制化に賛成する意見が反対意見を上回った。警察庁案に対しても、「実効性に疑問がある」などのコメントは見られるが、法制化そのものについては肯定的なコメントが多いとしている。

 一方、両案の最大の相違点となっているログの保存義務については大きく意見が分かれた。郵政省案では、ログの保存についてはプロバイダーなど各事業者の自主的な判断に任せるとしていたが、警察庁案では一律3ヶ月の保存と捜査機関への提出を義務づけていた。これに対しては、ログは電気通信事業法で定めた“通信の秘密”に属することでもあるため、各方面からの反発も多い。また、容易にデータを修正できるということで、ログの証拠能力にも疑問が投げかけられている。とはいえ、不正アクセスを捜査する際に重要な手がかりとなるデータだけに、このあたりの問題が共同案でどのように解決されるか、今後の焦点となりそうだ。

('99/1/8)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / 金丸雄一]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp