米国最大手のオンライン・ディスカウント・ブローカーのCharles Schwabが14日、第3四半期(7-9月期)決算を発表した。
総収入は、8億8,370万ドルと前年同期比25%増加、純利益も1億2,450万ドルと同27%増加し2桁の増収増益決算。1株あたり利益(EPS)でみると、15セント(前年同期12セント)で、市場予想コンセンサスどおりだった。しかし、コスト面では広告・マーケティング費が5,770万ドルと前年同期の3,400万ドルから70%も増加している。半面、その他のコスト減少していることなどから純利益に大きく影響しなかった。
新規口座開設数は28万2,000口座と、前年同期の27万8,400口座とほぼ同じ数だが、記録的だった直前期第2四半期の42万1,900口座からは67%も落ち込んでいる。
以上の数値は、オンラインのほか対面(店舗)営業、電話を使った取引などもすべて総合したもの。よって、単純にほかのオンライン専業ブローカーとは比較できない。ただ、1日あたり取引件数のオンラインと店舗の比率は、本年第3四半期が70%対30%(前年同期が58%対42%)の割合となっている。
そのオンライン取引に限ってみると、本年第3四半期末の口座数は300万口座で前年同期比50%増加した。1日あたり取引件数は、11万7,800件と前年同期比53%増となっている。しかし、本年第1四半期が13万7400件、同第2四半期が13万6,700件と2四半期連続で減少している。オンライン1口座あたりの資産は8万8,000ドルと、直前期の9万ドルから低下したが、業界平均の3万ドルに比べ依然として高いレベルだという。
オンライン専業ブローカーは、顧客獲得のため広告等のコストを大きくかけなければならず、それが利益を圧迫し、収入がいくら大幅増加しても利益が赤字に落ち込む傾向となっている。手数料引き下げや、システムに対するコストも利益に影響してくる。Schwabの決算をみると、オンラインの新規口座数や取引数が鈍化傾向にあることから、今後一段と広告等のコストをかけてくるかもしれない。また、最大手総合証券のMerrill Lynchが、12月にオンライントレードに参入する予定であることなどから、再び手数料引き下げ競争が再燃される可能性もある。
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[Reported by betsui@impress.co.jp]