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【音楽配信】

三洋電機など3社、携帯/PHS向けの音楽配信システム
ダウンロードから再生までを電話機だけで

■URL
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/9912news-j/1209-1.html
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9912/1209b.html
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Dec/9.html

 三洋電機、日立製作所、富士通の3社は9日、携帯電話機やPHS向けの音楽配信システム「ケータイdeミュージック」の技術規格を開発したと発表した。プレーヤー機能も備えた専用の携帯電話機で、ダウンロードした楽曲をそのまま再生できる。すでに携帯電話事業者やレコード会社などに参加を呼びかけており、できるだけ早い時期のサービス開始を目指すとしている。

 ケータイdeミュージックに対応した電話機では、ダウンロードした音楽をCD並みの音質で再生できるほか、これをBGMに通話したり、楽曲のアーティスト名や歌詞などのデータを表示することができる。記録メディアには、独Infineon Technologies AG社の開発したマルチメディアカードを採用。これに暗号化/復号化機能を追加した規格「セキュア・マルチメディアカード」を新たに開発した。将来はキオスク端末でのコンテンツ配信も想定しており、60分間の音楽を3秒でダウンロードできるようになるという。

 配信・課金システムには、3社が共同開発したコンテンツ保護技術「UDAC-MB(Universal Distribution with Access Control-Media Base)」を採用し、不正利用を防止する。UDAC-MBは、楽曲コンテンツを暗号化して配信し、ライセンスキーを購入したユーザーだけが復合・再生できるようにするシステム。再生回数やコピー回数を制限でき、不正利用が発見された携帯電話機や記録メディアでは、コンテンツの再生を禁止できるようになっている。一方、暗号化されたコンテンツ自体はコピー可能なため、利用者同士でやりとりすれば、ライセンスキーを購入するだけで再生できる。ユーザーにとってはダウンロードの通信費を削減できるメリットがあるほか、コンテンツをCD-ROMなどで配布し、ライセンスキーだけをオンラインで販売するという方法も考えられる。

 携帯電話機向けの音楽配信システムでは、すでにNTTドコモ、ソニーなどがPHSとメモリースティックを利用したシステムを発表(本誌9月30日号参照)。2000年4月にも実験を開始するとしており、規格統一をめぐっての主導権争いが予想される。ただし、今回のケータイdeミュージックは技術規格のみの発表に止まっており、携帯電話事業者やレコード会社の協力なしにはサービス開始にこぎつけられない。今後、どれだけ多くの企業の賛同を得られるかがカギになる。

(1999/12/9)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp