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会見後、握手を交わす |
「ナスダック・ジャパン市場」は、もともと本年6月にソフトバンクと全米証券業協会(NASD)が協力して日本に新しい電子証券取引市場を創設することを狙ったもの。その準備会社として折半出資して設立されたのがナスダック・ジャパン・プランニングだ。
しかし、その後大きな問題として取引システムなどのインフラ面や協会の設立等をどうするのかが注目されていた。この部分を、大証と組むことで「より早く、より確実に、そして総合的なメリットが大きい」(孫氏)と判断し、一気に解決するかたちとなった。
同市場は、来年6月末日までの取引開始を目標とし、大阪証券取引所内に一部門として創設される。まず、「日本ナスダック協会」を大証とは独立した機関として今後1~2ヶ月、遅くとも3ヶ月以内には設立し、市場の基本方針、上場基準、ディスクロージャー基準、取引ルールを決定する。同協会の会長には樋口廣太郎アサヒビール名誉会長、副会長には孫正義ソフトバンク代表取締役社長が就く。協会員は、国内大手・準大手証券会社、外資系証券会社、オンライン証券会社、大証役員(副理事長以下3名)、米国NASDAQ関係者、財界人などで構成され総勢20名程度を予定している。
大証理事長北村恭二氏 |
孫正義氏 |
一方、大証は日本の証券取引法に基づく証券取引所として必要な決済や、市場管理、上場審査、上場管理、規制監督を担う。
「ナスダック・ジャパン市場」を将来的には、米国NASDAQ(NASDAQ傘下のAMEX上場銘柄も含む)、NASDAQ-Europeとの相互上場や、市場間接続を実現し24時間取引の実現も検討する。同時に、他のアジアの市場との提携も考え、それらの銘柄が上場できるよう「ナスダック・ジャパン市場」をアジアにおけるハブ市場化させることも視野に入れるという。
さらに、大証と米国NASDAQはデリバティブ(先物・オプションなど金融派生商品)取引についても、クロスボーダーのデリバティブ市場開設を目指し協力していくという。
孫氏は「来年は未曾有の公開ラッシュが起き、今後12ヶ月以内に200~300社程度(これまで多い時でも100~200社程度だった)が公開しよう」と述べ、ベンチャー企業が資金を調達する方法として銀行に頭を下げるしかなかった時代が完全に終わったことを強調した。また、競争については「ナスダック、マザーズ、店頭の3市場が競い合って市場全体も健全に発展していくだろう」と述べた。北村恭二大証理事長は「証券市場のグローバル化が一気に進む」と語った。
なかで、注目されたのがソフトバンクグループの株式公開・上場についてだ。孫氏は「ソフトバンクは当然全力でコミットメントしていく」とし、グループのベンチャーキャピタルが出資などでかかわる企業百数十社を集中的にナスダック・ジャパンに公開させていきたいという。そして、既上場・公開のグループ会社もナスダック・ジャパンに指定替え・取引所替え、または同時上場・公開させることもあり得るとしている。
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(1999/12/24)
[Reported by betsui@impress.co.jp]