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【INTERNET Watch 創刊4周年記念企画】

INTERNET Watch4年間のデータに見るインターネットの歴史

 4周年企画第4弾は、これまで4年間に渡って発行されてきたインターネットウォッチの歴史をデータ集的に取り上げてみた。

 インターネットウォッチは、'95年12月1日にプレ創刊、2カ月間の体験購読期間の後、'96年2月1日から有料の本格配信を開始している。その4年間の歴史を記事とデータで振り返ってみた。おのずとインターネット自体の歴史も見えてくるはずはずだ。

4年間で通算 974本 配信

 プレ創刊の'95年12月1日から2000年1月31日まで、通算で974日間記事を配信した。特集などのある日は、1日2通~3通配信されることも多いので、「通数」でいうと1,000通は越えている。ちなみに、配信したメールをA4の用紙に打ち出すと、1通分だいたい平均5~10枚ほど。4年分まとめると約6,000枚だ。

 

号外26本配信

 インターネットウォッチでは、大きいニュースが飛び込んで来た場合などは通常の配信スケジュール以外に「号外」を発行している。過去4年間で発行した号外は「26本」('95年12月~'96年1月のプレ版も含む)。

 改めて見るとWWWブラウザー「Netscape Navigator」と「Internet Explorer」の新バージョン発表時に号外を発行していることがわかる。'98年以降は、「買収」に絡む記事が多い。特に、PSINetによるリムネット買収、AOLによるNetscape社買収は衝撃的であった。

 これまで発行した号外の見出しは次の通り。

 '96年

・「緊急速報!待望のNetscape Navigator 2.0 Goldのβ版配布開始
 「インプレスがTELETEXTで毎日新聞の記事を提供」(1月29日、記事数2本)

・「4月3日午前3時にNETWORLD+INTEROPのビル・ゲーツの基調講演をCU-SeeMeで見よう」(4月2日)

・「アスキーから独立して「アクセラ」を設立した小島文隆氏がインプレスラジオに登場。新会社にかける意気込みを語る!」(7月26日)

・「Internet Explorer 3.0日本語版の正式版、ダウンロードサービス開始」(8月17日)

・「Netscape Navigator 3.0正式版リリース」(8月18日)

・「Windows 95 Kernel32 Updateに問題の可能性あり」(9月6日)

・「米Apple、4億ドルで米NeXT Softwareを買収、ジョブズ氏も古巣に復帰
・「Netscape Communicator Preview Release 1が公開」(12月22日、記事数2本)

 '97年

・「米司法省がMicrosoftを反トラスト法違反で提訴」(10月21日)

・「アスキーがインターネット接続サービス『AIX』『AIF』を終了」(10月30日)

・「連邦地裁がMicrosoftに抱合せ販売禁止を命じる」(12月12日)

・「Netscape Navigator 3.0正式版リリース」(12月12日)

 '98年

・「ネットスケープ社が『Netscape Navigator』の無償配布開始」(1月23日)

・「Netscape、予告通りCommunicatorのソースコードを公開」(4月1日)

・「IE 5.0、開発者向けに公開」(6月2日)

・「Netscape Communicator 4.5 PR1公開」(7月15日)

・「PSINetがリムネット買収」(8月26日)

・「ソフトバンクが大沢証券を買収、証券業免許と東証の会員権を取得」(10月2日)

・「Netscape Communicator 4.5正式版公開」(10月16日)

・「Netscape Communicator 4.5日本語版公開」(11月8日)

・「公取委、マイクロソフト日本法人に独禁法違反で排除勧告」(11月20日)

・「AOLがネットスケープ買収で合意」(11月25日)

 '99年

・「Yahoo!、Geocitiesを買収」(1月29日)

Internet Explorer 5日本語版公開」(3月18日)

・「RealNetworks、音楽配信の『RealSystem MP』とソフト『RealJukebox』発表」(5月4日)

・「Netscape、Communicator 4.6英語版をリリース」(5月15日)

 2000年

・「インターネットの2000年問題、0時を過ぎても大きなトラブルなく順調」(1月1日)

 

坂本龍一氏、79回登場
 実はプレ創刊号('95年12月)トップの記事は「M-BoneとStreamWorksで坂本龍一のコンサートを生中継」であった。このことからわかる通り、ミュージシャンでは坂本龍一氏が最も多く登場しており、ダイジェストニュースも合わせて79本の記事に登場している。次いで多いのが佐野元春氏の41本。意外なところではラップグループの「PUBLIC ENEMY」が12本の記事に登場している。

M-BoneとStreamWorksで坂本龍一のコンサートを生中継」('96年12月1日)
/www/search/article/9512/0101.htm

佐野元春が自分のホームページやCDの将来を語る」('96年4月17日)
/www/search/article/9604/1702.htm

・「PUBLIC ENEMYが『MP4』で米音楽業界を震え上がらせる?」('99年1月11日)
/www/article/1999/0111/pe.htm

 

115回登場のビル・ゲイツ――4年間の変化
 良くも悪くもインターネット発展の歴史から、ビル・ゲイツ氏の名前を外すわけにはいくまい。これまで、「ビル・ゲイツ」もしくは「Bill Gates」の名で115回登場しており、個人としてはダントツのトップだ。しかし、本誌中での扱われかたは微妙に変化している。

 '96年~'97年くらいまでは「ビル・ゲイツのインターネット戦略が聞けるか?」「インターネットへのベクトルを再確認――ビル・ゲイツによるWindows Solutionの基調講演」といった記事タイトルが並んでおり、時代の寵児としてのその言動に注目が集まっていたが、'97年中盤程から「やじうまウォッチ」への登場回数が増してくる。展示会「COMDEX/Fall '99」では、映画「Austin Powers」の主人公に扮するなど、本人も“やじうま的”なモノへ近づいていたのだが、2000年1月17日衝撃的にCEO辞任を発表、今後、どのような形で本誌に登場するかは定かではない。

ビル・ゲイツがマイクロソフト社の全面的なインターネット展開を表明('95年12月11日)
/www/search/article/9512/1102.htm

『芸人魂――CESの講演でビル・ゲイツが披露したネタがかなり楽しげだった模様。しかし、肝心の講演内容についてはあまり触れられていない。いいのかゲイツ(やじうまウォッチより抜粋)』
/www/yajiuma/backno/200001/1.htm#07b

 

ストリーム配信ソフトの遍歴
 今やインターネット上のコンテンツとして「定番化」したストリーミング技術。本誌に初めてその言葉が登場したのは'96年の5月10日。その当時は「データの転送完了を待たずに再生を始める」といった解説が付けられていた。

 次に主なストリーミング再生ソフトのこれまでの動きを見てみよう。

 StreamWorks

 '96年当時、動画再生ソフトとしてよく使われていたのが「StreamWorks」。当時の記事では「MPEGの動画をリアルタイムで受けながら再生するソフト」と紹介されており「ストリーミング」という言葉はまだ定着していない。その後コンスタントにバージョンアップを重ねてきたが、'97年2月頃から徐々に登場回数が減ってくる。それは、動画を再生できる「RealVideo」がProgressive Networks社(現RealNetworks社)から発表された時期と重なっている。そして'99年4月、StreamWorksを開発していたXing Technology社がRealNetworks社に買収され、以来本誌にその名は登場していない。

Macユーザー待望の、ビデオ付きStreamWorks Ver.1.0.0β版がリリース('96年12月15日)
/www/search/article/9512/1501.htm
RealNetworksがXing Technology社を買収('99年4月13日)
/www/article/1999/0413/realx.htm

 

 RealPlayer(RealAudio)

 超定番ソフト。'95年12月の初登場以来、2000年の今日まで満遍なく登場している。当初のAMラジオ並みの音質から、FMラジオ並み、そして動画の再生と進化した。各社との提携を重ね、守備範囲も広げており、ストリーミングからダウンロード市場へと移行しつつある。

ニッポン放送がJリーグをリアルオーディオで中継('95年12月5日)
/www/search/article/9512/0501.htm
RealNetworksとBackWebが提携――音楽を“プッシュ技術”で配信(2000年1月21日)
/www/article/2000/0121/realweb.htm

 

 VDOLive

 今となっては、少々懐かしい感じもするVDOLive。ストリーミング再生ソフトとして、そこそこ採用されていたが、'99年あたりからあまり登場しなくなった。同ソフトが最も輝いていたのは、「なすびの懸賞生活」インターネット生中継で採用された時だろうか。

日経映像が、VDOライブを使って「日経サテライトニュース」を提供('96年4月2日)
/www/search/article/9604/0202.htm
なすびの懸賞生活 インターネット生中継の裏側('98年4月2日)
/www/article/980724/nasubi.htm

(2000/2/4)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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