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【業界動向】

クレイフィッシュ、米国Nasdaqと東証マザーズに同時上場

■URL
http://www.tse.or.jp/mothers/
http://www.crayfish.co.jp/ (現在リニューアル中)
http://www.hitmail.net/ (Hitmail)

 中小企業向けの電子メール・ホスティング・サービスを手掛けるクレイフィッシュ(コード番号4747)が、東証の新興企業向け証券市場マザーズと米国Nasdaqに新規上場する予定。日本の証券市場とNasdaqに同時上場するのは日本企業では初めてのことだ。

 まず、米国を中心とした海外で募集する。米国預託株式(ADS、1普通株式=5,000ADS)を発行し、募集株式数は435万ADS(870株)、発行価格帯は1ADS当たり12~14ドルを予定している。ティッカーシンボルはCRFH。発行価格は3月6日に決定され、Nasdaq National Marketには3月8日に上場する予定。

 日本では、普通株式1,000株を公募する。2月22日に発行価格・仮条件を決定し、それをもとに需要状況を把握し3月6日に公開価格を決定する予定になっている。主幹事証券は野村證券(海外はモルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券)。マザーズ上場予定日は3月10日で、Nasdaqに上場してから2日後にあたるため株価(もちろんNasdaqでの取引は米ドル建て)の参考にはなりそうだ。

 クレイフィッシュは、1995年10月に設立。1998年5月に光通信と業務提携を結び、現在主力となっている電子メール・ホスティング・サービス「Hitmail(ヒットメール)」の運用を開始した。光通信は、Hitmail関連サービスの販売取次ぎ、マーケティングを行なっている。2月14日現在、光通信はクレイフィッシュの発行済み株式数の50.1%(子会社で代理店のコール・トゥ・ウェブの持分含む)を保有し筆頭株主。

 また、Hitmail関連サービスのためのサーバー設備は伊藤忠商事の米国情報関連子会社であるITOCHU Tachnologyが提供している。

 Hitmailは、顧客がインターネットを通じてアクセスし、目的に応じて設定や拡張ができる電子メールシステムで、ドメインの設定も可能になっている。1月末時点の登録ドメイン数は4万4,811件(前年同期2,196件)と、日本のホスティング・サービス業で最大手だという。システム的な処理能力は現在10万件となっているが、顧客登録数は今期中(9月末)にこの10万件を越える見込み。

 2000年9月期第1四半期(10-12月)の売上高は、9億3,900万円と前年同期比12倍にも増加したが、営業利益は4億4,900万円の損失(前年同期4,300万円の損失)、経常利益も4億7,200万円の損失(同4,400万円の損失)。新システム開発のための先行投資負担が大きいためだという。

 売上高は引き続き顧客増にあわせて伸長していくと予想しているものの、利益については今後も赤字が続く可能性があるとしている。競争が激化していることや、システムインフラなど先行投資の負担は引き続き大きい。今回の株式発行による調達資金をサービス拡大に伴う運転資金や研究開発費に充てるが、ヒットメールの加入者が増加することに伴い、クレイフィッシュの初期費用の負担が増加するので、純損失の売上高に対する割合も増大する可能性があるという。

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(2000/2/15)

[Reported by betsui@impress.co.jp]


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