INTERNET Watch Title Click

【業界動向】

「従量制のサービス全般」は特許に抵触? ISP各社にメール

■URL
http://www.iswebnet.com/ (インターナショナルサイエンティフィック)
http://www.luvnet.com/ (同社によるプロバイダー「LUVnet」)
http://164.195.100.11/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&p=1&u=/netahtml/search-adv.htm&r=1&f=G&l=50&d=PALL&S1=5,956,697&OS=5,956,697&RS=5,956,697 (米国特許)
http://www.ipdl.jpo-miti.go.jp/Tokujitu/tjsogodb.ipdl?N0000=101 (日本特許検索)

 国内のプロバイダー(ISP)などの業者各社に対し、4日、「ビジネスモデル特許抵触の可能性」と題するメールが送付された。

 このメールを送ったのは、株式会社インターナショナルサイエンティフィックとなっている。このメールでは、同社が「インターネット時限課金システム」のビジネス特許を日米で取得しているとし、ビジネスモデルの一般論として「他社が同じ方法をビジネスモデル特許として取得していた場合、特許侵害となる可能性があります。その場合貴社の重要な業務が停止する可能性もあるのです」と記述している。

 この特許は、米特許「5,956,697」、日本特許「特開平10-27036」。Web上の特許検索サービスでもそれぞれ閲覧できる。送付されたメールでは、「弊社の本特許解釈」として「抵触すると考えられるインターネット・ビジネス」を例示しており、その中には「ユーザ認識による情報サービス業」「IDパスワード等を必要とする販売手法全般」「従量制のサービス全般」などが挙げられている。また、「本ビジネスモデル特許を利用するには、弊社と貴社でライセンス契約を交わして頂きます」と記載している。

 このメールは各社に波紋を呼び起こしている。ISPが多数参加する日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)では、「どこまでが特許に抵触するかどうか検討中」と語っており、会員各社を集めて緊急セミナーを開催する予定。また、「ダイアルアップ課金のシステムはかなり前からあったものだが…」と困惑の色を隠せない。

 ビジネスモデル特許はビジネスの手法そのものに対して特許を取得するもの。米国ではインターネットビジネスの普及によりビジネスモデル特許取得も盛んになっており、訴訟なども起きている。例えばAmazon.comとBarnesandnoble.comの間では、顧客のカード情報などをECサイト側で管理しワンクリックで買い物できるようにする手法が争われた。

◎関連記事
インターナショナルサイエンティフィック、ネット料金課金システムで特許取得
Amazon.comがBarnesandnoble.comを特許侵害で提訴
barnesandnoble.com、「1-Click」技術の利用を差し止められる
米Amazom.comのCEO、「ワンクリック技術」の特許を権利維持すると表明
Yahoo!が「ショッピングカート特許」の侵害で訴えられる
Priceline.comがビジネスモデル特許の侵害でMicrosoftを訴える
米DoubleClick、ネットワークを介した広告配信に関する米国特許取得
米Open Market社、電子商取引関連の特許3種類を取得

(2000/4/6)

[Reported by masaka@impress.co.jp / Watchers]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp