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【業界動向】

知らないうちにIDが削除される!? 
ICQ、個人情報が“13歳未満”のユーザーに利用制限

■URL
http://www.icq.com/ (ICQ)
http://www.aol.com/info/onlinesafety.html (AOLのCOPPA対応)
http://www.microsoft.com/PressPass/features/2000/02-08passport.asp (MSNのCOPPA対応)
http://family.yahoo.com/ (Yahoo! Family Accounts)

ICQ Supportから届いた警告メール
 インスタントメッセージソフトのICQのユーザー番号が、突然削除される現象が報告されている。ICQから英語のメールを受け取ったが、読まずにそのまま放っておいたら突然ログインできなくなった、というものだ。

 これには米国で4月21日から施行された「児童オンラインプライバシー保護法」(COPPA)が関係している。この法律では、商用サイトが12歳以下の児童の個人情報を収集する場合に親の同意を得ることを義務づけている。一方、ICQの親会社であるAOLは、家族の安全なインターネット利用を推進する団体「GetWise」のメンバーでもあり、COPPAの対応には積極的な姿勢を見せている。
 こういった状況から、ユーザー登録時に生年月日を求めているICQは、13歳未満の登録ユーザーを排除する方針を打ち出した。

COPPAについてわかりやすく解説しているサイト(英語)
 実際にプロフィール変更画面で年齢を13歳未満にしたところ、ICQのサポートアドレスから「13歳未満の場合、残念ながら13歳になるまで使用できない。もしあなたが本当の年齢を入力していない場合は、48時間以内に正しい年齢を入力しないと利用できなくなる」という内容の警告メールが届いた。13歳未満だけでなく、年齢を入力しなかった場合も同様のメールが届いたため、年齢未入力も対象となるようだ。
 またメールには「13歳未満のユーザーのICQ利用は許可できず、該当するどのユーザーも削除する。(中略)6月1日から実施するが、それ以前にログインしてこのメッセージを受け取った場合、48時間の猶予がある」という内容が書かれていることにも注目したい。現在は該当ユーザーがログインした場合、このメールを受け取ることで問題に気づき、プロフィールを訂正できるが、6月1日以降は該当プロフィールで登録している全ユーザーを、警告なしに削除する可能性が高いと思われる。

 では、COPPA問題はICQ以外のインスタントメッセージソフトに波及するだろうか?
 その可能性はどうやら少ないようだ。というのも、すでにメジャーなインスタントメッセージソフトは、この問題に対応しているからだ。
 具体的に挙げると、MSN Messengerでは登録サービスの「MSN Passport」で、すでに13歳未満のユーザー排除を実施している。Yahoo! Messengerの場合、登録時に児童の使用についての警告と、Yahoo!の家族アカウントサービス「Yahoo! Family Accounts」の使用を薦めるメッセージが表示されるなどの配慮がある。AOLのもう1つのメッセージソフト・AOL Messengerでは、登録時に尋ねるのはメールアドレスのみで、ここでは問題にはならない、という状況だ。

 いままでノーチェックだったところに、いわば強行と言える手段を選んだICQだが、Webサイト上でこの問題についての警告や発表は現在も出されていない。

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■【1999年10月21日】米連邦取引委員会、児童オンラインプライバシー保護法を発表
■【2000年4月21日】米国で「児童オンラインプライバシー保護法」が4月21日に施行

(2000/5/8)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / masao@saito.gr.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp