米MicrosoftのMSNや米Excite@Home、米Odigoなど、インスタントメッセージング(IM)関連の主要企業は、AOLが6月にIETFと米連邦通信委員会(FCC)に提出したIMの標準仕様について分析した白書を発表した。同白書は、AOLの仕様について問題点を明らかにするのが目的で、AOLはIM市場で90%のシェアを獲得しているにも関わらず、他社製IMソフトからのアクセスを遮断していると指摘している。
AOLは提案書の中で、アクセス遮断について「会員のプライバシーとセキュリティを保護するために必要」としており、他社製ソフトとの互換性については誠意をもって速やかに取り組むと述べている。しかし、白書では、プライバシーとセキュリティ問題について調査した結果、不当な懸念であり、他社製ソフトの遮断を正当化するための口実に過ぎないことが明らかになったとしている。AOLはプライバシーとセキュリティの懸念を挙げているが、提案書の中ではこれらの問題と互換性との関連性が示されていない。AOLが遮断した他社ソフトでAOLの独自プロトコルを使っているということは、少なくともAOLのサービスと同等にプライバシーとセキュリティが保護されていることになる。事実、他社製ソフトの中にはAOLよりも高度なものもあるという。
白書では、IMの互換性とプライバシー/セキュリティ問題との間には交換条件は成立せず、互換性に向けて誠意をもって取り組むというAOLの主張は事実に反すると結論づけている。
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(2000/7/24)
[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]