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【業界動向】

@nifty、EarthLinkなどがユーザー数2,000万人規模のISP連合発足

■URL
http://www.nifty.com/corp/release/20001031.htm

InternetGlobalAlliance  @nifty、米EarthLink、独T-Onlienなど世界のISP7グループが10月31日、「インターネット・グローバル・アライアンス」を発足することで合意したと発表した。各ISP同士でアクセスポイントを共有するローミング提携を行なうほか、コンテンツやECサービスの相互提供にも取り組む。

 アライアンスに参加するのは、@nifty(ニフティ/富士通)、EarthLink、T-Onlineのほか、韓国のUnitel(Unitel/Samsung)、シンガポールのSingNet、ブラジルのUOL、香港のNetvigator(Pacific Century CyberWorks)の7グループ/9社。ユーザーを合計すると、10月末時点で2,063万人に達するという。

 ニフティでは今年6月以降、参加するISP各社と個別に提携合意しており、すでにSingNetとの間ではローミングサービスを開始。残りの6グループについても、年内にもニフティと各ISP間でローミングサービスが開始される予定だ。今回のインターネット・グローバル・アライアンスは、これまではニフティと各ISPの間に限定されていた提携関係を、参加メンバー全社における多角的な提携に発展させたものとなる。契約が完了する2001年春以降、参加ISP全社間におけるローミングが実現し、海外でも国内と同じ感覚でインターネット接続サービスが受けられるようになるとしている。

 なお、参加ISPには、すでに他社と提携するなどして海外でのローミングサービスを提供しているところもあるが、例えば@niftyでは既存のローミングサービスも継続して提供していく方針だという。ただし、アライアンスの参加ISPによるアクセスポイントがある地域については、無料(もしくは無料に近い料金)で提供されることもあり、アライアンスでのローミングサービスに移行していくと見ている。

 コンテンツについては、参加ISPが各国で展開するものの中から、他の国のユーザーにも利用が期待できるものについて開放し、現地ISP側でコンテンツの翻訳やローカライズなどを行なう。特に日本のユーザー向けには、富士通の翻訳技術をサーバーに組み込んで提供することも検討しているという。また、ECサービスについては、優良なオンラインショップについて、各ISPが自社会員向けに現地語によるナビゲーションを整備、ユーザーが簡単に国外のオンラインショップを利用できるようにしていく。さらに将来的には、国際決済サービスも実現したいとしている。

 このほか、技術開発についても協力していく方針で、インスタントメッセージングサービスの相互接続をはじめ、新規のブロードバンドサービスなどについて共同で取り組んでいく予定だ。

 2,000万人以上のインターネットユーザーをカバーすることになる今回のアライアンスは、AOLにも匹敵するユーザー規模となるが、「AOLはどこでもアメリカ式のやり方を押しつけるため、ヨーロッパでは伸びていない」(T-Online InternationalのIris Steffen ビジネスデベロップメントプロジェクトマネージャー)と指摘。アライアンスは「それぞれの国で一番のISPが組んだ」(ニフティの渡辺武経代表取締役社長)点がAOLとの大きな違いだとしており、「各国の文化・生活・ビジネス習慣を尊重した平等・互恵の関係」(ニフティの山川隆常務取締役)を保ちながら、サービスを展開していく考えだ。

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(2000/10/31)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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