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【ドメイン】

あなたが申し込んだ日本語「.com」ドメインは
本当に“登録”されたのか?

■URL
http://www.onamae.com/ (お名前.com)
http://www.networksolutions.com/ (Network Solutions)
http://www.fm-net.ne.jp/ (エフエムネット)

 日本時間の10日午前9時より、「.com」「.net」「.org」における日本語ドメインの登録受付が始まった。国内のレジストラ(ドメイン登録サービス)各社のウェブサイトには朝からアクセスが殺到し、まともに登録サービスを利用できない状態が続いている。多言語ドメインは現時点ではまだ試験段階であり、ネット上で利用できるようになるのは数カ月先の見込みだが、「とりあえず使えそうなドメインを確保しておこう」という企業や個人がこぞって登録しようとしているものと思われる。


 インターキューのドメイン登録サービス「お名前.com」では、普段使われている画像データを削除してトップページを簡略化。少しでも表示が速くなるよう配慮しているが、もちろん、これで解決するような問題ではない。一時は空きドメインの検索をしようとしてもサーバーからの反応がなく、タイムアウトになってしまう状態が続いていた。その後、時間が経つにつれ混雑は緩和されてきているようだが、その他の国内レジストラや代理店のサイトでも同様、申込手続きの途中でタイムアウトしてしまったり、トップページさえ表示されないなどの症状が見られる。

 そんな中、穴場は米Network Solutionsだ。あるネットユーザーによると、上記のような理由で「国内のレジストラは使えない」と判断、Network Solutionsのウェブサイトにアクセスしたところ、「割合スムーズに登録できた」という。米国のレジストラということで盲点になっていたようだが、実は日本語ドメインの登録受付を開始したのは、国内のレジストラに限らなかった。Network Solutionsでは、日本語のほか、同時に登録が開始された中国語と韓国語の登録ページが用意されている。実際に編集部でもNetwork Solutionsにアクセスしてみたが、ドメイン検索は国内レジストラとは比べものにならないくらいレスポンスが速かった。


 さて、ここまでは、単にレジストラのサービスが無事に利用できたかどうかという話だが、重要なのは、米VeriSign Global Registry Services(VeriSign GRS、旧Network Solutions Registry)のレジストリ(ドメイン管理)データベースへ、それが登録がされたかどうかということだ。すなわち、レジストラのウェブサイトで行なった手続きが、“申込”だけなのか、“それとも登録”まで完了したのかを区別する必要がある。

 例えば、エフエムネットのサービスでは、同社のウェブサイトでの手続きが完了したとしても、即登録が完了するわけではない。エフエムネットによると、ウェブサイト上で入力されたデータは、同社で内容をチェックしたあと、順次VeriSign GRSに登録。VeriSign GRSへの登録が完了した時点で、「登録完了」の連絡が届くようになっている。同社によると、夕方の時点で申込がすでに1,000件単位に達しており、「今から申し込むと、(登録までに)2~3時間はかかる」という。さらに、10日だけで7,000~1万件の申込があるのではないかと見ており、同社の予想を上回る申込のおかげで、登録結果の通知が翌日以降にずれ込むケースも現われているようだ。VeriSign GRSへ登録されるまでには、かなりのタイムラグを考慮しなければならない。

 これに対し、お名前.comでは、VeriSign GRSへの登録がほぼリアルタイムに行なわれるシステムだ。ウェブ上から申込データが送信されると、そのままVeriSign GRSにアクセスし、登録が完了した時点でウェブ上に「登録完了」のメッセージが表われる。一方、何らかの理由でVeriSign GRSにアクセスできず、登録が完了しないこともある。その場合は「登録完了」ではなく、「申込を一時預かった」という意味のメッセージを表示。登録が完了した時点ではじめて「登録完了」の連絡が届くようになっている。インターキューによると、申込と同時に登録まで完了するのが通常だという。 ところが、10日に入って、「通常は24時間アクセスを受け付けているVeriSign GRSのデータベースが、メンテナンスのせいか、クローズしている時間が長かった」という。原因は不明だが、その結果、お名前.comでは普段はあまり発生しないという、前述した登録申込の「ペンディング状態」が10日の朝からしばらく続いてしまった。

 いずれにせよ、申込が完了したとしても、登録まで完了していなければ、その間に他のユーザーに同じドメインを登録されてしまう可能性があるわけだ。もちろん、登録できなかった場合は料金が返却されるわけだが、社名や商標などもからんでくるものだけに、「確保できなかった」では済まされないことも多いだろう。日本語ドメインを申し込んだユーザーは、その手続きで本当にドメインが“登録”されたのかどうかをもう一度確認しておく必要がある。実際、エフエムネットで申し込んでおいた同じドメインを、数時間後にNetwork Solutionsから申し込んだところ、Network Solutionsのほうで先に登録できてしまったという例もいくつか確認されている。


 最後に、申請した日本語ドメインが本当に自分の名義で登録されているかどうか確認する方法だが、確実なのは「WHOIS」である。しかし、これにデータが反映されるまでにはタイムラグがあるとともに、そもそも、WHOISでは日本語が通らないはずだ。多言語ドメインが開始された以上、いずれWHOISでも日本語に対応するはずだが、今のところ、編集部ではその情報を確認していない。ここ数日は、自分の申請した日本語「.com」ドメインが、本当に自分に登録されているのかどうか、不安な期間が続くと思われる。

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(2000/11/10)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / Watchers]


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