【業界動向】

サイトは存続し、地域密着型コミュニティを目指す

「Jside」の受け皿となった「エムスタ」が事業方針を発表

■URL
http://m-sta.com/

左からアプラス専務取締役の黒田啓太氏、金会長、後閑社長、オン・ザ・エッヂ代表取締役の堀江貴文氏
 株式会社エムステーションドットコムは、「Jside.com」のサービス移管後の事業計画を発表した。同社は株式会社ジェイサイド・ドット・コム(2月14日に会社清算を発表)からコミュニティサービスである「Jside.com」を引き継ぐことを表明し、その動向が注目されていた。

 エムステーション・ドット・コムは、「オンラインとオフラインを融合したビジネスモデルを展開」(同社代表取締役・後閑真英氏)するマーケティング会社。2000年8月に運営を開始したコミュニティサイト「エムスタ」は順調に会員数を伸ばし、現在は会員数11万6,000人。またJARによるインターネット視聴率調査で「Yahoo!」「楽天市場」「@nifty」に続いて4位へランクインする成長ぶりだ。
 「エムスタ」の特徴は、コミュニティでの発言やプロフィール掲載、アンケートなどを行なうとポイントが発生し、貯めたポイントを現金と交換できる仕組みにある。またリアル店舗を対象に割引クーポンサービスを行なう「エムスタクラブ」と連携し、こちらでのポイント使用も可能だ。これによってユーザーはコミュニティ参加とポイント貯蓄を、店舗や広告主は高い広告的効果を得られる点がメリットという。同社はこの仕組みを「ポイントシステムCRM」と名づけている。2月からは株式会社アプラスとの提携により、リアル店舗での買い物や飲食で支払った代金へもポイントが加算される「エムスタ・キャッシュバックカード」のサービスも開始し、オンラインとオフラインの連携をいっそう強めている。

 今回の「Jside.com」サービス移管では、「CM展開などから『Jside.com』の知名度は高く、そのブランド力や、携帯電話からの利用などで優れた点がある」(後閑氏)として、当面はサービスと名称はそのまま存続する予定だ。ただ「Jsideの持っていたハードは非常に大きかったので、現在は我々が運営する形に合ったダウンサイジングを進めている。3月1日からはダウンサイジングした形での営業を開始する」(後閑氏)という。登録者数は多いが今ひとつ活発とは言えなかった同サービスをまず活性化した上で、地域密着型のコミュニティへ向かう方向だ。なおエムステーションはこの移管に伴い、ハードに対して2億円、営業・商標権で1億円の、計3億円をジェイサイドに対して支払う。一方、ジェイサイドからエムスタへ移動するスタッフは、わずか1名だという。

 同社代表取締役会長の金鎭浩氏は、「うちは韓国1~2位のコミュニティサイトを運営した経験のあるスタッフも多く、以前のJsideよりはうまくやっていけるだろう。Jsideというブランドとネットワーク、そこにポイントシステムCRMが融合することで、これまで同サービスにつぎ込まれた金額以上の価値が生まれるだろう」と述べた。また光通信との関係を尋ねられ、「当社が設立する際に、光通信の資本を持つ企業から出資を受けたのは事実。特に否定する気はないが、今回の提携で怪しいところはまったくない」(金氏)としている。
 なお、移管を前にして、現在「Jside.com」はサービスを一時休止している。

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(2001/2/27)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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