【業界動向】

無料プロバイダーのNetZeroとJunoが合併、米国2番目のプロバイダーが誕生

■URL
http://www.juno.com/corp/news/united.html
http://www.netzero.com/about_us/20010607juno.html

 米大手無料プロバイダーのNetZeroとJuno Online Servicesは7日、両社が合併することで合意したと発表した。両社は米無料プロバイダーの最大手と2番手で、両社のアクティブ会員数は700万人にのぼる。両社合併により、米America Online (AOL)に次ぐ米国2番目のプロバイダーが誕生することになる。

 両社は合併後、新会社「United Online」を設立し、NetZeroとJunoはその子会社となる。両社の全発行済み株式はUnited Onlineの全株式と交換されることとなり、NetZeroの株式1株と新会社の株式0.2000株、Junoの株式1株と新会社の株式0.3570を交換する。これにより、NetZeroの株主がUnited Online株式の61.5%を保有し、Junoの株主が残りの38.5%を保有することになる。合併手続きは両社株主などの承認を経て年内に完了する見込みだ。

 両社を合わせた2001年1-3月期の売上高は4,150万ドル。これらのうち、有料会員から徴収したサービス料金が2,470万ドルと全体の60%を占め、広告収入や電子商取引などによるその他の収入が1,680万ドルとなっている。また、両社を合わせた2001年1-3月期の現金残高は2億980万ドル。NetZeroの会長兼CEOを務めるMark R. Goldston氏が新会社の会長兼社長兼CEOに就任し、CFOを務めるCharles S. Hilliard氏が新会社のCFOに就任する予定だ。

 新会社ではNetZeroとJunoの知名度を生かして、両方のブランドで無料サービスを提供するとともに、Junoブランドで有料サービスを提供する。新会社では、現在、両社の無料サービスを利用している巨大な顧客基盤が、将来的に有料サービスに移行する可能性があると見込んでいる。

 NetZeroとJunoは、オンライン広告収入を基に無料サービスを提供しているが、米国の景気低迷によるオンライン広告市場の縮小で売上が減少。これを補うためにヘビーユーザーに課金するなどの戦略を打ち出していたが、生き残りをかけて両社が合併するという道を選んだようだ。なお、両社は過去に広告配信特許に関して争っていたこともある。

 両社合併について、NetZeroのGoldston会長兼CEOは「急速に拡大するインターネット接続市場におけるリーダー2社が合併するものだ。両社は消費者向けに知名度の高いブランドを確立しており、これを生かして新規会員を惹きつけるとともに、現行会員からのサービス収入を増やす計画だ。米国2番目のISPとして、マーケティング会社や広告主向けに多数のユーザーを惹きつけることができる。また合併による相乗効果で、財務力の強化や、経営の効率化を図ることができる」と語っている。

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(2001/6/8)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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