【トラブル】

Napsterでシステム障害、ファイル交換サービスが一時停止

■URL
http://www.napster.com/

 オンライン音楽交換サービスの米Napsterは2日、システム障害が発生したためサービスを一時停止した。同社サイトでは、「データベースを新しいファイル識別技術に対応するものにアップグレードする間、ファイル交換サービスを一時停止しました」と説明している。

 新しいデータベースは、音響指紋技術を使ったファイル識別技術に対応したもの。音響指紋技術は米Relatableからライセンスを受けたもので、デジタル音楽の波形から音響特性を解析して得られるデータを使って、楽曲を正確に識別する技術だ。

 同社は6月21日、この技術に対応するWindows版のクライアントをリリースしており、未対応の旧版から接続すると、「裁判所の命令に従うため、間もなく旧版を利用停止にする予定です。新版をダウンロードしてアップグレードしなければいけません」という内容のメッセージが英語で表示される。

 音響指紋技術の導入は、米連邦地裁が3月5日に下した、著作権付き楽曲の交換停止命令に応じたもの。Napsterはこれを遵守するため、楽曲データベースを使ったフィルタリングシステムの強化などを図っている。

 しかし、フィルタリングを強化するにつれ、利用可能な楽曲数が減少し、ユーザー離れも進んでいる。米Webnoizeによると、ユーザーの共有ファイル数はピークに達した2月の220曲だったが、地裁判決に応じて米レコード協会が著作権付き楽曲の交換停止を要請した直後の3月15日には71曲に減少。音響指紋技術を導入した6月下旬には、わずか1.5曲に激減した。

 Napsterは今夏にも商用サービスを開始し、大手レコード会社や独立系レコード会社が楽曲を提供する予定だ。商用サービスを目前にしながら、今回のトラブル発生によってさらにユーザー離れが加速する可能性もある。

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(2001/7/3)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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