【調査結果】

「インターネット白書2001」から注目データをクローズアップ(4)
 企業のインターネット利用はもはや備品感覚

■URL
http://www.impress.co.jp/info/release/pages/20010625_1.htm

クラッキングの有無についてのグラフ(クリックしてご覧ください)
 「インターネット白書2001」に掲載の調査結果から注目データを取り上げる短期連載、最後は企業のインターネット利用動向にふれてみよう。

 昨年の「インターネット白書2000」で、インターネット技術を利用している企業が全体の92.8%と9割を超える数字となったが、今回は96.8%と、さらなる伸びを見せている。社内LANを構築済みの企業も全体の92.5%で、もはや企業にとってインターネット利用はごく一般的なものになりつつある。インターネット利用企業のなかで、自社ドメインを取得している企業は87.7%、そして日本語ドメインを取得している企業も8.1%に上った。この調査は2001年3月のため、わずか1ヶ月ほどで1割近い企業が日本語ドメインを取得していることになる。

 電子メールやWebの利用はごく一般化している。メールサーバー利用が99.8%、社内向けWebサーバー利用が75.6%、社外向けWebサーバー利用が89.3%と、いずれも高い数字だ。電子商取引に取り組む企業も増えており、コマースサーバーの利用が21.8%と、昨年の11.2%からほぼ倍増している。またイントラネットを構築済みの企業が62.5%に上り、構築中(13.2%)、構築予定(9.8%)も含めると、近い将来には8割以上の企業がイントラネットに対応する形となる。

 この普及に伴い、頭の痛い問題となっているのが、不正アクセスやウィルス被害だ。クラッキングされたことがある企業が42.5%に上り、一方で「クラッキングされたかどうかわからない」と答えた企業が12.7%もあるのは、なんとも不安な印象を受ける。社外からの不正アクセスには意識が向いているようで、ファイヤーウォールを構築している企業が、一部・全体を合わせると79.1%と、8割近い。またファイヤーウォール以外の対策を行なっている企業も29.2%と、3割近くに上る。反面、社内からの不正アクセスについての対策は進んでおらず、社内クラッカー行為などに規制を設けている企業はわずか27.0%と、7割以上が規制を設けていない。特に企業規模が小さくなるほど対策は進んでおらず、SOHOを含めた小規模な事業所での対策は今後重要となってくるだろう。

 他にも、ウィルスに感染したことのある企業は71.2%で、こちらは大企業になるほど感染規模が高くなり、従業員500人以上の企業では感染経験が9割近くに上るという。今回はウィルス対策は調査項目に含まれていないが、今後はメールのゲートウェイとなるサーバーを含めたウィルス対策が増えることが予想される。

◆「インターネット白書2001」インターネット協会監修 6月29日発売 本体価格4,800円(税別) 株式会社インプレス発行

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(2001/7/10)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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