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■URL
http://www.oreilly.com/news/jvm_0701.html
Microsoftが次期OS「WindowsXP」とブラウザー「Internet Explorer」にJava関連ソフトウェアを搭載しないとの方向性を明らかにしたことが、Javaコミュニティーに大きな波紋を広げている。これは、世界最大のデスクトップ環境であるWindowsの最新バージョンにおいて、そのままではJavaプログラムが動作しないということだ。
これを受けてインターネット評論家で研究家でもあるClay Shirky氏とO'Reilly & Associatesは、Windowsをプリインストールしてパソコンを出荷する大手PCメーカー、Dell、Compaq、Hewlett-Packard、Gateway、IBM、東芝、ソニーなどすべてのメーカーに対して、最新のJava実行環境をプリインストールして出荷するよう呼びかける運動を開始した。現在、O'ReillyのサイトにおいてClay Shirky氏のコメントが掲載されており、ここにこの運動に参加する人の署名とコメントを追加することができる。
このような申し入れは、11日にMicrosoftがWindowsのライセンスを緩和したために可能になったことだ。これによりWindowsをプリインストールして出荷するメーカーにはデスクトップのアイコンを除去することや付け加えること、Internet Explorerをアンインストールすることなどを含め、大幅な自由が約束された。この自由によってIntel互換機OEMメーカーは手間さえ惜しまなければ自由にアプリケーションをデスクトップに置くことができるようになったのである。
WindowsXPにJava実行環境が搭載されないことにより、多くのユーザーはインターネットを利用していてJavaが必要なページを開くと「このプログラムを利用するにはソフトウェアをダウンロードする必要があります」とのメッセージを見ることになる。しかし約5MBにも及ぶJava実行環境をダウンロードするのは初心者にとって、特にブロードバンド環境ではない利用者にとって大きな負担となることが考えられる。それでも、Javaのアプレットはすでに広く利用されており、例えばチャットや多くのアプリケーションサービスプロバイダーなどで利用されているのだ。
しかし、これまでJavaの実行環境に関しては、Microsoft製のJavaVMとSun Microsystems製によるものとの間で互換性が取れず、絶えず問題となってきていた。Microsoftが自社製のJava実行環境を搭載しないことにより、実質的にSunのJava実行環境が普及するようなことになれば、Java開発者にとっては互換性に関する懸念が大幅に減少するのではないか、との楽観的な見方も一部に存在するようだ。
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(2001/7/23)
[Reported by taiga@scientist.com]