【調査結果】

オンライン広告市場低迷の中で“有料登録検索エンジン”が好調~米調査

■URL
http://www.jmm.com/xp/jmm/press/2001/pr_073001.xml

 米Jupiter Media Metrixは30日、検索エンジンの中で、企業が広告料金を支払うことで検索結果の上位に登録URLを配置するという、いわゆる“有料登録検索エンジン”に関する調査報告を発表した。調査では、これらの有料登録検索エンジンは、ユーザーと広告主のニーズの調整に成功した数少ないものの一つであり、オンライン広告の中ではかなり効率的であるとしている。

 同調査によると、有料検索配置モデルは、ユーザーが関連する情報のリストをより高速に見い出すことができる一方で、広告主はクリックベースの広告掲載料を支払うだけで済むため成功しているという。Media Metrixのデータによると、有料登録検索エンジンを代表するGoto.comへの訪問者は1カ月当たり平均56分間を費やしているが、Yahoo!の検索エンジンでは平均106分間も費やしている。Jupiterのアナリストは、有料登録検索エンジンでは短時間で望みの検索結果が得られるため、ユーザーの満足度が高いと指摘している。

 広告主は過去数年間にわたって、ポータルのショッピングチャンネルやキーワードに関連するバナー広告に数百万ドルを費やしてきたが、消費者の行動は検索結果の方が重要なことを示している。Jupiterの調査によると、オンラインで商品を検索する場合、消費者の28%が検索エンジンにアクセスして商品タイプを入力すると回答したが、検索エンジンのショッピングチャンネルにアクセスすると回答した消費者はわずか5%に過ぎない。Jupiterのアナリストは、ショッピングチャンネルに掲載した広告やオンライン広告には一定のの価値はあるものの、広告主は低料金でより適切な有料登録検索エンジンにも掲載するよう提言している。

 現在の市場状況において、広告主は費用対効果が高くて先行投資の低いソリューションを追求せざるを得ない。SECに提出された書類によると、2001年第1四半期に、広告主の有料登録検索エンジンへの支出が増えており、Goto.comの売上高は2000年第4四半期に比べて30%も増加した一方で、他の広告掲載サイトは売上高が2桁も減少している。また、同じく有料登録検索エンジンのLooksmartも他社に比ると業績は悪くなく、売上高が7%減にとどまっている。

 なお一方で、こうした有料登録検索エンジンについて、「明確な説明なしに検索結果を広告に置き換えている」として消費者団体が米連邦取引委員会に調査を要請するといったことも起きている。

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(2001/7/31)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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