【通信事業】

NTT東西、フレッツ・ADSLを月3,100円に値下げ~今度こそギリギリ?~

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http://www.ntt-east.co.jp/release/0108/010829a.html
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 NTT東日本および西日本は、「フレッツ・ADSL」および「フレッツ・ISDN」を10月1日より値下げすると発表した。前回7月16日に250円の値下げを行なってから僅か2ヶ月半後にまた改定という異例の事態。

 今回の値下げ額は、「フレッツ・ADSL」の電話回線と共用タイプで3,800円から3,100円になり700円の値下げ。電話回線と共用しないタイプは5,450円から4,750円となり、こちらも700円の値下げとなる。また、ADSLモデム販売価格も「ADSLモデム-NII」「ADSLモデム-S」共に23,000円から18,000円へ、5,000円の値下げを行なう(ADSLモデムのレンタル料金は従来通り)。なお「フレッツ・ISDN」は、3,300円から2,900円になり400円の値下げ。

 今回発表を行なったNTT東日本の古賀哲夫営業部長によると「3,100円という数字は、例えばASAHIネットやぷららを利用した場合、ISP料金が1,000円なのであわせて4,100円となる。この4,100円は大手ISPなどの3,980円にNTTの回線使用料(タイプ1が月額187円、タイプ2が月額2,062円)を足した値段と同レベル」ということだ。また、2ヶ月半で再度値下げ実行という事態の背景として「商売上、日々値下げの事は頭から離れることはないが、So-netやニフティーのこともあり1ヶ月前位から値下げを検討し始めた」という。今回の値下げ努力の内訳としては「接続機器などの導入費用の削減。営業効率の向上によりコストダウンを成功させた」とし「回線接続料金としては、採算ギリギリの値段」と努力を強調した。

 また加入者数について、古賀営業部長は「7月末でのADSL加入者数はNTT東西あわせて26万人に達している。8月末には30万人を確実に超えるだろう」とし「今年の年末までにはADSL、光接続、ISDNあわせてNTT東日本だけで70~80万人。NTT東西あわせて120~130万人の加入を目指す」という目標を掲げた。他社の影響については「Yahoo!やSo-netが値下げを行なった際も、思っていた程(NTTの)加入者数の減少はなかった」という。またその原因について「お客様が現在第一に望んでいるサービスは『常時接続の定額固定料金』であり、必ずしもスピード重視のブロードバンドコンテンツではない」と言い、その根拠として「現在でもフレッツISDNの加入者の申し込みの方が、僅かではあるがフレッツADSLの新規加入者より多い」を挙げた。

 NTT東日本としては、「9月以降は申し込み後2週間で開通が可能」「ISP事業者を取捨選択することができる」「全国的な提供地域の拡大」を売りに今後の展開を行なっていく。また、Yahooが提供する8MbpsのADSLサービスについては、「技術的に研究を進めてはいるが、その帯域のサービスについては「B-フレッツ」の光回線サービスでの提供にどちらかと言うと注力するつもりだ」とADSLサービスと光接続サービスの衝突を避けるべく設置の見極めが必要と、暫くは状況を見守る姿勢を見せた。

 今回の値下げは「Yahoo!やSo-netが値下げを行なった際も、思っていた程加入者数の減少はなかった」(古賀営業部長)としながらも、「大手ISPの新規加入者数をみると、(NTTの)新規加入者数は減っていないものの、ADSL全体でのシェアは落ちているかもしれない」と言っているように、やはり他社の値下げに引きづられた感は否めない。NTTまで巻き込んだ現在のADSL値下げ競争。利用者としては有難い限りなのだが、果たして結果はどのようなものになるのだろうか。

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(2001/8/29)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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