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■URL
http://www.kepco.co.jp/pressre/2001/0829-1j.htm
関西電力は29日、電力線通信(Power Line Communication:PLC)チップ開発のイスラエルITRAN Communications社と技術提携したと発表した。同日、関西電力、ITRAN、松下電工の3社は合弁で、超高速PLC技術の開発・実用化のための企画会社「ラインコム株式会社」を設立した。世界に先駆けてメガビット級の電力線モデムを開発したというITRANの技術やノウハウの提供を受け、ADSLを上回る24Mbpsの通信速度の実現を目指すとしている。
ラインコムで実用化された技術については、関電グループの通信会社であるケイ・オプティコムのインターネット接続サービスや、関電が取り組んでいる家庭向けの情報通信サービス「NALIS(Next Apartment Lifesupport Information Service)」や「AIGIS(Advanced Intelligent Gate-keeper for Integrated Service)」に活用する。
ケイ・オプティコムでは現在、ラストワンマイルにPHSや光ファイバーを利用したメニューを用意しているほか、無線LAN方式の実験にも取り組んでいる。ラインコムの技術が実用化されれば、これに電力線という選択肢が加わることになる。
一方、NALISやAIGISは、電力メーターに通信機能やゲートウェイ機能を付加することで自動検針や料金通知、電気温水器やエアコンなどの遠隔操作、ホームセキュリティ、医療/介護などの総合生活サービスを提供するというもの。すでに光ファイバーやPHSを利用した方式のフィールドテストも行なわれている。電力線通信により、さらなるサービスの強化を図る考えだ。
なお、国内で現在、通信用として電力線に重畳することが認められている周波数帯は10K~450KHzである。これに対して、ラインコムの方式で利用するのは1.7M~30MHzという高周波数帯。10K~450KHzを使った方式よりも高速化が図れる反面、今の日本の法規制のもとでは実用化できない。確かに現在、周波数拡大について検討が行なわれてはいるが、まだ結論が出たわけではない。今回の合弁会社設立は、規制緩和を見込んだ上での事業となる。
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(2001/8/29)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]