【事件】

1ch.tv、DoS攻撃を受け被害届を警視庁に提出

■URL
http://1ch.tv/

 バリュー・エクスチェンジ株式会社や西和彦氏が運営する掲示板型情報配信サービス「1ch.tv」は22日、DoS攻撃を受けたとして警視庁・高井戸署に被害届を提出、18日に受理されたことを発表した。警視庁では、偽計業務妨害での立件を視野に捜査をする方針。

 1ch.tvの発行人を務める清水康司バリュー・エクスチェンジ社長によると、10月8日に、兵庫県に在住の人物がWebサイト上に、「crack1ch.exe」というDoSツールを公開していることを発見した。その後、10月16日までに、そのツールによる攻撃が少なくとも20回以上行なわれていたことがわかった。また、1ch.tv側から配布停止のメールを送っても、その人物に連絡が取れなかったため、プロバイダーに連絡して当該サイトの閉鎖を行なったという。

 当該Webサイトには、同攻撃ツールへのリンクはなかったものの、掲示板などに「1ch.tvクラックにご協力お願いします」などという書き込みとともにツールへのリンクが掲載されていた。また、同ツールに添付されたファイルの冒頭には「この度は1ch.tv自動クラックソフトをダウンロードして頂きありがとうございます。」と記されていた。なお、当該Webサイトには、「ジハード支援」「東大生を射殺する」といった文章のほかに、「合法的分野での介入の面で努力する」という書き込みがされていた。1ch.tvでは、この“合法的な活動”がDoSツールの配布を意味していると見て、1ch.tv以外への被害拡大防止も含めて被害届提出に踏み切ったという。1ch.tvの編集人を務める西氏は、「DoS攻撃そのものも悪いが、DoS攻撃を複数人で可能にするツールの配布という面を重視した。PCオタクのいたずらにしては、度が過ぎている」とコメントした。

 1ch.tvは、10月6日にサービスを閲覧専用に切り替え、14日より日中のみ書き込みを受け付ける体制で運営してきた。被害届が受理されたことで、現在1ch.tvは通常のサービス提供を再開している。また、10月5日のサービス開始当初から、回線が混雑して掲示板が閲覧できない状態が続いたことについて、DoS攻撃との関連性は、現時点では不明としている。なお、清水氏は、「今後とも普通の人が普通にインターネットを利用できる環境を目指すスタンスは変わらない。現状のボランティアベースの無料情報提供は、いずれ持たなくなるだろう」とコメントした。

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(2001/10/22)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]


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