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【決算】

Yahoo! BBの売上規模が広告事業に匹敵
~ヤフーの第2四半期決算~

■URL
http://docs.yahoo.co.jp/info/investor/jp/event/meeting/index.html

 ヤフー株式会社は22日、2001年度上期の中間決算および2001年度第2四半期(7-9月期)決算を発表した。いずれも広告事業の売上比率が低下する一方で、Yahoo! BB事業の売上比率が上昇している。

 まず中間決算では、売上が118億6,800万円と対前年同期(2000年度上期)比で98%増、経常利益が41億4,900万円で102%増、純利益が23億9,100万円で104%増となっている。分野別では、広告事業が67億1,600万円で構成比率は56.6%、Yahoo! BB事業が37億7,500万円で31.8%、オークションが5億2,100万円で4.4%、その他が8億5,400万円で7.2%だった。これまで主軸となっていた広告事業の売上が前期(2000年度下期)の77億3,900万円を下回ったが、Yahoo! BBやオークションの伸びにより、全体では増収・増益という結果になったという。

 広告事業の売上減少と比率低下の傾向は、すでに2001年度第1四半期に表われていたが、第2四半期ではそれが如実になっている。第2四半期の売上高69億9,900万円のうち広告事業は30億2,000万円で、第1四半期の36億9,600万円に対して18.3%減。構成比率も75.9%から一気に43.2%にまで低下している。代わりにYahoo! BB事業が304.7%増の30億2,700万円を売り上げ、広告事業と同じ比率の43.2%を占めるまでに成長した。

 広告事業の低迷について同社では、景気悪化や米国同時多発テロの影響によるものだと説明している。ただし、インターネットユーザーが増加傾向にある状況から、従来通り「中長期的には広告が伸びることを信じている」(井上雅博代表取締役社長)ことに変わりはないという。なお、9月より開始したメールによる広告配信「Yahoo!デリバー」の配信は好調だとしている。

 一方、売上増加に大きく貢献しているYahoo! BB事業だが、原価率が従来の事業よりも高いという点が特徴だ。第2四半期の売上の30億2,700万円は、ADSLモデムなどをパッケージしたスターターキットの販売とISPサービス収入によるものだが、このうち17億2,600万円は原価である。ADSLモデムの仕入れ原価がかかるほか、ISP料金としてユーザーに課金している月額1,290円のうち1,090円がビー・ビー・テクノロジーに支払われる構造となっているためだ。例えば、ヤフー全体における売上原価を前年同期(2000年度7-9月期)と比較すると、148倍の増加率を示しているという。

 なお、22日に開催されたアナリスト向けの説明会では、自らYahoo! BBの問題点についても触れ、「予想以上の申し込み数があったためメールでの問い合わせに対する返信が遅れている」などの問題点が挙げられた。これについて井上社長は、これまでサポート業務を提供してきたビー・ビー・テクノロジーの人員増強を図るほか、一部の業務についてはヤフー側でも対応する体制に移していることを明らかにし、これにより回答までの期間が「短縮されるのではないか」と述べた。

 ただし、「収入の何%をサポート業務に回すのか?」というアナリストからの質問についての明確な回答は行なわれなかった。申し込みが殺到してバックオーダーを抱えている今の状況を「異常時」と表現、「(バックオーダーが解消されて)一段落すれば、問い合わせも減る」ということで、従来のヤフーの体制内で対応可能との考えを示した。

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(2001/10/22)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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