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■URL
http://www.microsoft.com/presspass/press/2001/Dec01/12-13ECMAPR.asp
http://www.ecma.ch/
米Microsoftは13日、国際標準化団体「ECMA」がMicrosoftの開発によるC#言語とCLI(Common Language Infrastructure)を批准したことを発表した。これは、C#言語とCLIがECMAが認めた標準規格となることを意味する。Microsoftでは2000年10月にこの2つの技術をECMAに提出していた。
C#言語はC++言語から派生した言語で、Java言語のライバルといわれるほどきわめてよく似ており、MicrosoftはC#を採用することでプログラミングの生産性が高まると以前から主張してきていた。また、CLIはC#、Visual Basicなど複数の言語でコンパイルされたプログラムを動作することのできる「バーチャルマシン」の一種だ。この二つの技術はいずれもMicrosoftが推進している「.NET」フレームワークのキーとなるもので、Webサービスを開発するために不可欠な技術とされている。
ある技術が標準規格として認められることは、企業にとってその技術が使いやすくなる、もしくは使ってみようという気にさせる効果があるとされているが、一方で問題点もしばしば指摘される。
例えば、Sun MicrosystemsがJavaを開発したときに、Javaで開発を行なっていたコミュニティーの多くの人がこの言語をECMAに提出するようSunに要望を出していたが、Sunの経営陣はそれによってSunのJavaと異なる動作をするJavaが市場にあふれるの恐れて、ECMAへの提出を断念した経緯がある。
なお、C#とCLIが標準規格となったことで「.NET」に関する開発が必ずしも規格化されるわけではない。Microsoftは「.NET」の実装を公開しないことを明言しており、一部Corelと提携しながらFreeBSDバージョンの「.NET」を「Shared Source」で開発することを表明している。このShared Source契約では、研究者がソースコードを閲覧することができるが、改変することも、他のプロジェクトで利用することも許されていない。また、ベンチャー企業のXimianは、Linux上で動くオープンソースの「.NET」環境「Mono」を構築しようとしている。これはECMAの標準規格に基づいてC#やCLIを実装しようとする試みだが、実際にMicrosoftの実装とどれだけ互換性型を保てるのかどうかが期待されると同時に懸念されてもいる。
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(2001/12/14)
[Reported by taiga@scientist.com]