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【業界動向】

三井物産がDSL事業に再挑戦
アッカに25億円の出資

■URL
http://www.mitsui.co.jp/tkabz/news/2002/020314b.html
http://www.acca.ne.jp/information/release/020315/index.html

 三井物産が、アッカ・ネットワークスに資本参加する。アッカが15日に実施した116億4,000万円の第三者割当増資のうち、約25億円を引き受ける。三井物産の出資比率は13.6%で、NTTコミュニケーションズの45%に次ぐ第2位の株主になる。

 三井物産がDSL事業に取り組むのは今回が2度目。1999年秋、通信事業者やITメーカーに呼びかけ「DSLアクセス基盤協議会」を発足した後、2000年夏には米DSL会社のRhythms NetConnectionsらと共同で、DSLの企画会社である「ガーネットコネクションズ企画」を設立。約1年間にわたってDSLの技術や事業性を検証しており、当初の計画では2001年夏にも事業会社に移行する方針だった。

 ところが、参加していたRhythms NetConnectionsが経営に行き詰まると、さらに追い打ちをかけるような最悪の変化が日本のDSL市場に訪れた。協議会の設立時点ではあくまでも光ファイバー一筋だったNTT地域会社がDSL市場に本格参入し、その影響もあってDSLサービスは低価格競争に突入してしまった。三井物産では、DSL市場は伸びると信じていたにもかかわらず、NTTとの真っ向勝負や安値合戦の体力勝負は不利と判断。当初計画されていた事業会社への移行を見送り、2001年6月、ガーネットの会社清算を決定した。

 それが今回、アッカに出資することで再びDSL事業に投資することになったのは、やはり市場規模の拡大を目の当たりにしたのが大きいだろう。ガーネットの事業化を断念させた低価格競争が進んだ結果、ユーザー数が爆発的に増加。同時に設備コストも急速に下がり、ここに来て参入しやすい状況になったわけだ。

 三井物産では今後、ADSLの回線販売や付加サービス面でアッカの事業に協力していく。法人向けADSLサービスの販売代理店として三井物産のグループ会社を活用するほか、衛星放送事業で手がけている「キッズステーション」やテレビショッピング番組など、ブロードバンド向けのコンテンツ供給も検討する。

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(2002/3/15)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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