【ブロードバンド】

CATVインターネット、ラストワンマイルは無線で
北ケーブルが集合住宅向けの実験サービス

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http://www.kitanet.ne.jp/info/pr_wireless.html

 北ケーブルネットワーク、日本テレコム、愛知電子、東洋通信機の4社は、CATVのネットワークと無線LANを組み合わせたインターネット常時接続サービス「北Qネットワイヤレス(仮称)」の共同実験を4月より開始する。

 北ケーブルのサービスエリアである東京都北区には約15万世帯があるが、そのうち約11万世帯を集合住宅が占めているという。しかし、建物内のCATV回線が双方向通信に対応していない物件もあり、インターネットサービス提供のネックとなっていた。

 今回の実験は、2.4GHzの無線アクセスシステムにより、この問題を解消しようというもの。電柱に張りめぐらされたCATVネットワークの途中に、ケーブルモデムと無線アクセスポイントの機能を備えた基地局を吊り下げ、そこから各世帯までを無線で接続する。ケーブルモデム自体のスペックは1台あたり最大30Mbpsだが、無線区間はIEEE 802.11bの最大スペックである11Mbps以内となる。

 北ケーブルでは現在、CATVインターネットサービスとして下り回線が最大3Mbpsと5Mbpsのメニューを提供しているが、無線のサービスメニューについては、これと同等のものが用意されるかどうかは未定。実験を通じて、最終的なスペックを検討するとしている。実験は、同区内の集合住宅1棟において6月末まで行なわれる予定だ。

 建物内のCATV回線が片方向通信(テレビ放送)にしか対応していない集合住宅にCATVインターネットサービスを提供する手段としては、上り通信を電話回線経由で行なう方法や、上り通信の周波数をコンバートするソリューションなどが提供されている。

 実際に北ケーブルではこれまで、周波数をコンバートするソリューションを採用した例があるほか、回線そのものの双方向化する工事を行なったり、通信用の細い同軸ケーブルを新たに敷設するなどのパターンで対応してきたという。

 しかしこれらの方法では工事コストがかさむとともに、導入にも時間がかる。そこで今回、導入が比較的容易な無線という方法を検討することにしたという。集合住宅を主なターゲットと考えているが、無電柱地区やケーブル敷設が難しい戸建て住宅についてもサービス提供も視野に入れている。

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集合住宅でもCATVインターネットを利用可能に(「ケーブルテレビ'99」レポート)

(2002/3/28)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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