ニフティの渡辺社長
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今後のサービス展開を示すモデル図
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まず2001年度の業績では、「@nifty」の会員数は2000年度に比べ58万人増の518万人、うちブロードバンド会員は28万人(ADSL23万人、CATV5万人)となった。売上げは639億円で、13年連続の単年度黒字を達成したほか、個人ホームページ開設数は24万件、「@nifty」内に出店しているECサイトは668店、ブロードバンド関連コンテンツは98タイトル(サービス単位)に上るという。
「不況下においてはがんばったといえる」(ニフティ社長室 宮坂修史室長)こうした業績を踏まえながら、2001年11月に発表した“With Us, You Can. プロバイダーからインターネットライフ・パートナーへ”という方針を、2002年度も受け継いだ展開を図る。ニフティの代表取締役社長・渡辺武経氏は、ニフティの方向性は「自己実現を支援する、安心・安全で楽しいライフパートナー」(渡辺社長)と述べ、「@nifty」というネットワークを使って個人を支援していく方針を表明した。
具体的に予定されているのは、まずインフラ面ではバックボーンネットワークを100Gbps以上に拡大する。2001年11月は20Gpbsのバックボーンだったが、ブロードバンド環境が急増しているユーザー事情に合わせた強化を図る。アクセス面ではホットスポットへの対応を表明。5月からNTT西日本、日本テレコムなどと試験サービスを開始し、夏から秋にかけて実用化する方向だ。またブロードバンドユーザーの増加に合わせて、ビデオチャットやeラーニング関連サービス、ホームネットワーク対応サービスなどを追加するほか、セキュリティ関連のサービスを強化する方向だ。
既存のサービスでは、2001年度に開始したインターネット電話「Go2Call」や、個人間決済サービス「@pay」などを引き続き打ち出し、コミュニケーションの強化を図る。またフォーラムのWeb展開も積極的に進め、すでに「自動車フォーラム」、「ベースボールフォーラム」など一部フォーラムのWeb展開を開始している。その一方で、いわゆる“パソコン通信”(TTY方式)は現在も60万人以上のユーザーがあり、ISPでこうしたサービスを提供するのも「@nifty」のみとなった現在はむしろ価値があることと捉え、利用者がいる限りは継続していく方向という。またフォーラムは現在はいわゆる接続会員(@nifty会員)しか利用できないが、Web展開を進めることで、今後単独のコンテンツとして展開する方向も視野に入れていく。
ニフティではこれらの展開などを通じて、2002年度は700億円の売上げと、ブロードバンド会員を75万人に増加することを目標とする。なお先日BIGLOBEなどが発表した「メガ・コンソーシアム」については、「コンソーシアムの構想レベルでの話はいただいたが、具体的な交渉はしていないし、関与する気は今のところ持っていない。ニフティは今までの会員資産やフォーラム資産、技術力など自分たちの持つ文化を守りながら成長していく」(渡辺社長)とし、他社とISP連合などを形成する意向はないことを表明した。また昨年末の「ソニーがニフティを買収」との報道については、「一切話せる立場にない」(渡辺社長)と言及を避けた。
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(2002/4/24)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]