【サービス停止】

「Microsoftの責任」とCEOは主張

“インターネットキーワード”の米RealNamesが営業を停止

■URL
http://www.realnames.com/body/pressreleases/closureStatement.asp
http://www.teare.com/ (Keith Teare氏個人サイト)
http://www.forvaltel.co.jp/ (フォーバルテレコム)

 URLを入力する代わりにキーワードを入力することで直接ホームページにアクセスできるサービスを提供してきた米RealNamesが13日、キーワードの販売などの通常の営業を停止することを発表した。RealNamesはMicrosoftと契約を結び、Internet Explorerを通してサービスを提供していたが、Microsoftが契約更新を拒否したため、この契約が終了する6月30日にサービスは停止する。

 83人の従業員との雇用契約は終了し、現在、資産売却などの処理が行なわれている。RealNamesのCEOであるKeith Teare氏は自分の個人的なホームページの中で、順調に業績が推移していた企業が倒産に追いやられるのはMicrosoftの責任であると糾弾し、内部資料、会合記録などの資料を暴露した。

 プレスリリースのなかでRealNamesの創業者でありCEOであったKeith Teare氏は「RealNamesは3期にわたって収益を増加させており、2002年第1四半期にはキャッシュフローがプラスに転じた」「昨四半期に世界中でキーワードが5億回以上使われ、これは2年間にわたって利用規模が10倍に成長したことを意味する。中国語と日本語の言語でWebアドレスを入力できるキーワードシステムはRealNamesの技術に依存している」と述べ、RealNamesが企業として成功していたことを強調する。


Keith Teare氏のホームページ。Microsoftとのミーティングの模様を公開している。

 Keith Teare氏は、自身のホームページの中でMicrosoftとの交渉の詳細を公にしている。Teare氏はMicrosoft側が「我々はネーミングではなくサーチの価値を信じている。それは我々が100%サーチ技術を支配しているのに対して、ネーミングを完全にコントロールすることはできないからだ」と主張したとしている。さらに「Microsoftが提供するアーキテクチャーは敵意をもって迎えられるため、これを所有することができない」とのMicrosoftの考えも明らかになった。

 Teare氏は自分が反Microsoftではなく、また親Microsoftでもなく、むしろ「親イノベーション(革新)」であるとの立場を表明している。Keith Teare氏はインターネットにおけるイノベーションはもはやスタンダードだけによって実現することができず、何らかのアプリケーションのサポートが必要なため、Microsoftがほとんどのアプリケーションで多大なシェアを持っている以上、彼らがサポートしない技術によるイノベーションは不可能になるという懸念を表明している。

 Keith Teare氏は、MicrosoftとRealNamesの間で開かれた会合のメモや、RealNamesが契約更新を目指してMicrosoftに提出した88ページにも及ぶ提案書、キーワードの利用状況分析など、RealNamesのビジネスに関連する多大な情報を自身のホームページで公開しており、今後大きな波紋を呼びそうだ。現在のところMicrosoftはこの件に関してコメントしていない。

 なお、日本国内では、株式会社フォーバルテレコムが「インターネットキーワード」の独占販売契約をRealNamesと結びサービスを提供している。同社によると、13日夕方にRealNames社から連絡があり、米国での営業停止が告げられたという。今後のサービス提供については現在検討を重ねているところであり、「先方とコンタクトを取りつつ今後の対応策を固めていきたい」としている。

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(2002/5/14)

[Reported by taiga@scientist.com / okiyama@impress.co.jp]

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