【イベント】

セキュリティーカンファレンス「RSA Conference 2002」開幕
「セキュリティーは、実際の生命に関わる問題だ」~Jim Bidzos氏

■URL
http://www.key3media.co.jp/rsa2002/

公演を行なうRSA Conference委員長Jim Bidzos氏

「RSA Conference 2002 Japan」の展示場風景

 29日、セキュリティー専門のカンファレンス/展示会「RSA Conference 2002 Japan(以下、RSAC2002J)」が東京・赤坂プリンスホテルにて開幕した。「RSA Conference」は、1991年より米国などで開催されている。世界最大の規模を誇る情報セキュリティーカンファレンスとして認知されているイベントで、日本での開催は今回が初となる。会期は、29日と30日の2日間で、当日料金は6万8,000円となっている。

 RSAC2002Jでは、セキュリティー分野に関した基調講演や全9トラック、約50に分けられたセッションが行なわれたほか、展示会場では最近リリースされた新製品やサービスなどが紹介されている。

 29日に行なわれたオープニングスピーチでは、RSA Security社の創設者の一人で、RSA Conferenceの委員長でもあるJim Bidzos氏が公演を行なった。公演の中で同氏は「昨年の9月11日以降、セキュリティーが重要な関心事となった。実際米国政府は、『反テロリスト法案』の制定を始め、さまざまな施策を実施している」と語り、「コンピューターのセキュリティーや脆弱性といった問題は、今や机上の空論ではなく、実際の生命に関わる問題だ」としている。しかし、「これは、単純な問題ではない。現在米議会では『ナショナルID』の必要性が議論されているが、このような問題の場合プライバシー保護の観点からも見る必要がある」と、セキュリティー問題とプライバシー保護の問題をバランスよく考えていかなくてはならないと語っている。

 また、展示会場ではRSAセキュリティやNTTデータなど31社のブースが設置されている。中でもテクマトリックス社のブースや、10台の無線LAN対応ノートパソコンが用意されている「セキュアホットスポット」が興味深い。セキュアホットスポットでは、設置されているノートパソコンで、RSAセキュリティのワンタイムパスワード認証トークン「SecurID」を利用した認証や、無線インターネット接続を実際に利用できる。「SecurID」は、個々のユーザーに配布される認証トークンにより生成されるコードと、ユーザーの暗証番号の2つの要素を組み合わせたユーザー認証ソリューション。認証トークンは、ユーザー毎に予測不可能なワンタイムパスワードを60秒毎に生成するものだ。

 テクマトリックス社のブースでは、韓国マークエニー社によって開発されたセキュリティーソフト「Document SAFER」が展示されている。「Document SAFER」は、Webやイントラネットの情報を、電子透かし技術や出力物の事後追跡技術を利用することによって漏洩防止を行なうというもの。29日に行なわれたセッションの中で、マークエニー社CEOのChoi Jong氏は「コンピューターの発達によって、デジタル化された情報がフロッピーやCD-R等に簡単にコピーすることが可能になった。しかし、これにより情報漏洩のリスクが高まったと言えるだろう。実際、情報漏洩の95%は内部漏洩によるものだ。『Document SAFER』では、さまざまな機能を搭載することによって、コンテンツのコピーをできなくする機能や、出力された文書に電子透かし処理を施し、事後追跡及び偽・変造防止する機能を搭載している」とし、イントラネット等社内情報の漏洩防止の重要性を語った。

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(2002/5/29)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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