【業界動向】

BIDDERS、100万件出品を目指し“会員との交流を深める”方向へ

■URL
http://www.bidders.co.jp/

DeNAの南場智子社長
 株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)がBIDDERS事業報告会を開催、オークションサイト「BIDDERS」の現状について報告した。

 4月1日に落札手数料を2.5%へ引き下げ、出品アイテム100万件を目標と掲げたBIDDERS。オークションの出品点数は4月1日時点から約3倍の46万件を突破し(6月12日現在)、現在は1日4,000件の純増分を加えながら増加しているという。また会員数は115万人となった(4月1日時点では97万人)。
 DeNAの南場智子社長は、「『Yahoo!オークション』では新料金体系を発表後に、出品数が200万点以上減っている。このうちBIDDERSに来た出品数は約40万点と捉えていて、“消えた出品”のポテンシャルはまだまだ大きい」と述べ、今後も「Yahoo!オークション」から移動するユーザーが増えると予測した。また「Yahoo!オークション」が落札手数料3%導入を開始した5月15日以降は、単価の高いアイテム出品を行なう出品者が増えていると分析、“Yahoo!オークション移動組”の存在を示している。その一方で、「もともとファッションやブランドに強い面のあったBIDDERSだが、4月1日以降はファッション等はもちろん、タレント・キャラクターグッズや雑貨といった単価の安いアイテムの出品が大幅に増えている」(南場氏)と指摘。ただ落札単価が下がるのは悪いことではなく、「“自分の欲しいものに出会う”というオークション本来の楽しみの部分が増えたともいえ、オークションサイトとしては前向きに捉えている」(南場氏)という。

カテゴリー別の出品数グラフ。アンティーク、音楽などの出品数増加が激しい
 100万件出品を目標とした対策では、ユーザーの声をくみあげる体制として“サービス開発会議”を設置し、ユーザーの要望を機能に直接的に反映できる形をつくった。これによって、カテゴリー新設が従来の数ヶ月に1度から2週間に1度ペースになったほか、評価システムの改善や出品後の画像追加、一括出品ツールといった新機能が実現できたという。今後は提携ISPなどによるプロモーションに加え、ユーザーとのコミュニケーションによる認知向上も図るという。これにはBIDDERSユーザーでもサービス料金や出品数などを把握していない傾向がアンケートで明らかになった面もあるためで、「ベーシックなことをきちんとやっていく。アクロバットな施策ではなく、ユーザーとのコミュニケーションを高めることで、サイトをより良くすることに注力したい」(南場氏)という。具体的には7月中にジャパンネットバンクによる本人認証を開始するほか、入力画面の簡略化、評価システムのさらなる改善、「Myセレクション」(入札はしていないが気になる商品を保存、観察できるリスト)に加えた人数の表示などを追加機能として検討中としている。

 なおネットオークションでは、やりとりした相手からの“評価”が重要視され、またトラブルの原因にもなる傾向がある。BIDDERSでも、他オークションから移動したユーザーが、出品ページ内に「『◎◎オークション』ではXX件の評価を得ている」と記載して他オークションでの評価ページをリンクしていたことがあった。これについて「単なる評価ページへのリンクでは、リンク先がBIDDERSの出品者と同一人物かどうか判断できないため、信頼に足りない」として、入札者に対し“リンク先に出品者のBIDDERSのIDが記載されている場合のみ”参考にするよう呼びかけるほか、出品者に対しても「評価関連リンク」機能を新たに設け、リンク先ページ(オークションの自己紹介ページ)にBIDDERSのIDを記載した上でリンクするよう促している。

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(2002/6/12)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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