【イベントレポート】

「NTT-AT テクノフェア2002」が開催~電子投票システムも展示

■URL
http://www.ntt-at.co.jp/eventseminar/event_domestic/2002/techno2002/techno2002.html

テクノフェア会場
 NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下NTT-AT)は、18日より都内でプライベートショー「NTT-AT テクノフェア2002」を開催した。
 NTT-ATはNTT研究所の研究成果や技術をベースに、顧客企業のニーズに合わせた製品を開発提供する技術ビジネスを展開している。今回の「テクノフェア」では、「鮮やかに!柔軟に!未来に効くソリューション。」をテーマに、ブロードバンド、環境トータルソリューション、電子自治体ソリューション、電子企業ソリューション、知的財産商品・サービスの5エリアに分かれた展示を行ない、またセミナーも随時開催している。ここでは出展の中から、注目のものをいくつか取り上げてみよう。

 まず会場入り口からすぐのエリアに設置されていたこともあり、常に来場者が集まっていたのが「ブロードバンドソリューション」エリア。集合住宅向けの無線LANシステムや、光ファイバー関連機器などを中心とした展示で、目を引いたのは「グループモデムモジュール」。NTT未来ねっと研究所の参考出品として展示されていたワイヤレスモデムで、1台で複数のデータ・異なる速度での同時通信を可能にする。最大128接続のマルチキャリア通信を実現できるほか、各キャリアの帯域幅などを柔軟に設定でき、衛星通信用地球局などでの利用が期待されているという。また“本格的VoIPサービス統合システム”として紹介されていた「BroadWorks」は、通常の内線や外線通話に加え、3者通話やボイスメッセージ、一斉呼び出しといった多彩な電話機能や、Webブラウザーから容易にユーザーの追加・変更といった管理が行なえるシステムだ。NTT-ATではこの製品を通信会社やサービスプロバイダーなどに提供し、そこから中小企業向けにVoIPサービスを展開する形を図っていくという。

 「電子自治体ソリューション」のエリアでは、「電子投票システム」がまず目を引いた。公職選挙法の特例法に基づいた電子投票を実現するもので、ICカード(投票カードと引き換えに発行)を投票端末に差し込んで本人認証を行ない、タッチパネル型の端末に表示される候補者を選んで投票するシステムだ。投票用紙の誤記や二重投票が防げる、集計時間が短縮できるといったメリットがある。ただ現行の選挙法ではインターネットに接続しての開票・集計が認められておらず、このシステムでもネットワーク化されているのは投票所内のLANのみで、投票記録は投票所サーバーで一度MOなどの記録媒体に暗号化して保管し、その後開票所に運ばれて集計される形となっている。今月23日に岡山県新見市の市長選・同市議選で全国初の電子投票が実施される予定だが(システムは他企業のもののレンタル利用)、「選挙はそうしょっちゅう行なわれるものではなく、レンタルが通例となると、在庫管理などの面で難しい面がある。また不在者投票についての部分など解決すべき課題も多く、すべてがオンライン化されるのは当分先」(NTT-AT 展示担当者)として、動向を見守りつつ展開する方向という。

 このエリアでは、他にも会議録検索システム「Discuss」シリーズを展示。すでに200以上の自治体に導入されている会議録検索システム「Discuss」をメインに、インターネットでの議事録検索・閲覧を低料金で可能にするASPサービス「DiscussNet」、議事録と議会映像をシンクロして表示できる「DiscussVision」と、コストやニーズに合わせた情報公開を可能にする内容となっていた。また会議支援システム「Meeting Perfe II」は、リアルの会議でのメモを取ったり資料を見直したりといった行動を、オンラインで実現した点が特徴だ。発言者の進行に合わせて会議資料(パワーポイント書類など)を他のPCに表示するシステムだが、自分の見たい箇所を別ウィンドウで表示したり、必要な部分にメモをとって手元に残せるといった機能を備え、テレビ会議システムと組み合わせることで、遠隔会議やオンライン教育を効果的に実施できるとしている。またCRMなどEC関連や、セキュリティ関連の製品をまとめた「電子企業ソリューション」では、先日発表した映像加工ソフト「DRAGRI」の展示が目立っていたほかワンタイムパスワードによる個人認証と暗号化ブラウザーを連携することで、携帯電話(iアプリ対応端末)でのVPN環境を初めて実現した携帯端末用個人認証システム「MobileSAFE VPN」を出展。社内システムなどへ携帯電話から安全なアクセスが可能な製品として、NTTドコモなどと連携して積極的な展開を図るという。

 「NTT-AT テクノフェア2002」は東京・西新宿の新宿NSビル NSイベントホールで、19日まで開催中だ。

下段ラックの右端が「グループモデムモジュール」 タッチパネルで操作が分かりやすい「電子投票システム」 動画に併せて議事録の該当箇所を表示する「Discuss Vision」 「MobileSAFE VPN」の携帯電話ログイン画面

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(2002/6/18)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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