【訴訟】

米AkamaiとSpeederaが訴訟合戦へ~SpeederaのオフィスにFBIの家宅捜索

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http://www.akamai.com/en/html/about/press/press357.html
http://www.speedera.com/newsroom/pressreleases/lawsuit.html
http://www.speedera.com/newsroom/pressreleases/patent.html

 コンテンツデリバリーネットワーク大手の米Akamai Technologiesは26日、25日付で米Speedera Networksを提訴したことを発表した。また対するSpeederaも26日付でAkamaiを不正競争、虚偽広告を行なったとして逆提訴した。

 Akamaiは、Webサイトパフォーマンス測定サービスを提供しているKeynote Systemsに設置されたデータベースにあるAkamaiのトレードシークレットをSpeederaの幹部が盗み出したとしている。この提訴では、データベースへのSpeederaのアクセスを差し止め、すでに取り出した文書を破棄、そのデータをもとにSpeederaがサービスを提供したり顧客と連絡をとったりすることを禁止する命令を出すよう法廷に対して求めている。Akamaiの社長Paul Sagan氏は「Speederaは自らの会社に投資をせずに、Akamaiが懸命に働いて著しい投資を行なった結果を横領することによってビジネスを創り上げようとしたのだ」とSpeederaを激しく非難した。一般にトレードシークレットには企業の持つ技術内容の詳細などに加えて顧客リスト、販売計画などの情報が含まれるとされる。

 Akamaiの主張に対してSpeederaのCEO兼社長Ajit Gupta氏はプレスリリースの中で、SpeederaがKeynote Systemsのライセンスユーザーであり、Keynote Systemsから出たすべての情報は保護されたものでも秘密の情報でもないと主張し、Akamaiの主張と真っ向から対立している。また、Speederaはこの主張に加えて、Akamaiが自らの有利な立場を不正に利用することで不公正な商慣行を持っていること、虚偽広告によって著しく損害を受けたことを主張している。Gupta氏はこれについて「ここ数カ月にわたって我々は顧客、営業先、その他の人々からAkamaiが我々の財務状況とサービスのパフォーマンスについて間違った陳述を行ない、我々の投資家や顧客に影響を与えようとしていたのだ」とAkamaiを非難している。

 こうした状況のなかでAkamaiはプレスリリースのなかでSpeederaのカリフォルニアのオフィスにFBIが捜査に入ったとNewYorkTimes紙が伝えていることを指摘した。それによると捜査はSpeederaがAkamaiのトレードシークレットを不正に入所した疑惑にかかわるものだとしている。また、Speederaが翌日に即座に逆提訴したことについて「これはSpeederaに対してAkamaiがより深刻な訴訟を起こすこと、FBIがSpeederaのオフィスを急襲したことから注意をそらそうとする試みにすぎない」と切り捨てている。

 AkamaiとSpeederaは、以前にもコンテンツデリバリーネットワークの基幹技術をSpeederaが盗用しているとの問題で対立して法廷闘争に発展、現在も裁判が続いている。これと関連してか、Speederaは26日付でプレスリリースを発表し、Speederaのコンテンツデリバリーネットワークの核となる技術に対して米国特許商標庁がSpeederaの3人の創業者に対して特許を授与したとの発表を行なっている。

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(2002/6/27)

[Reported by taiga@scientist.com]

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