■URL
http://internet.impress.co.jp/books/hakusho_2002.htm
「インターネット白書2002」
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今回の「インターネット白書2002」(以下白書)では、“ブロードバンドの浸透でインターネットの利用形態はどう変わったのか”をテーマに、ユーザーをブロードバンド=ADSL、CATV、FTTH、無線インターネット、専用線、FOMAによる接続方法と、ナローバンド=ISDNを含む電話回線によるダイヤルアップによる接続方法に分類。接続方法がユーザーのインターネット利用にどう影響しているかに焦点を当てている。調査は郵送留置法で行なわれ、2,036件の有効回答からまとめたもので、うちインターネット利用者は1,541件となった。調査についての詳細は白書の40~41ページにまとめられている。
まずは利用時間の変化を見てみよう。「1週間あたりのインターネット利用時間」は、インターネット利用者全体では、10時間未満のユーザーが合計で73.2%(2001年は72.4%)。さらにナローバンドでは計82.7%に達している。これがブロードバンドの場合、10時間未満は計54.6%とぐっと低くなり、代わって20~30時間未満が8.3%、30時間以上が9.5%と、利用者全体の比率と比べ、2倍前後の数値となった。一方、「1回あたりの接続時間」を見ると、利用者全体では1時間未満が計69.6%(2001年は70.7%)と相変わらず高いものの、ブロードバンドでは51%、代わって常時接続が12.1%となっている。また常時接続のユーザーは、2000年の0.6%から2001年は2.0%、今回は5.2%と、インターネットユーザー全体でも着実に増加している。
利用するサービスやコンテンツにも、回線速度は大きな影響を与えている。「現在利用中のサービスやコンテンツ」では、電子メールではさほど変化はないものの、大きく違いの出る項目が登場した。たとえば「ソフトのダウンロード」はブロードバンド47.3%・ナローバンド30.1%(以下“ブロードバンド・ナローバンド”の順で表記)、「音楽のダウンロード」は28.5%・15.5%、「動画や音声等のリッチコンテンツの配信」は13.9%・4.8%といった具合だ。またブロードバンドに特化していないコンテンツでも、ブロードバンドユーザーのほうが利用比率が高い傾向もあり、「ニュース・天気予報・スポーツニュース」で61.4%・46.9%、「電子メールによる無料情報配信サービス」で47.1%・34.8%、「オンラインショッピング」で29.3%・18.3%などにその傾向が見られる。全体的に見て、ブロードバンドユーザーがより積極的にインターネット上のサービスを利用していることが感じられる。「利用中のコミュニケーションサービス」では、掲示板で27.9%・20.8%、インスタントメッセージは19.6%・7.7%、チャットは17.6%・10.3%と、ここでもブロードバンドユーザーの積極姿勢が伺える。
「1週間あたりの利用時間」のグラフ
インターネット白書2002 (C) Access Media/impress, 2002 |
なお、毎回質問している「インターネットの満足度」については、平均は63.0点で、前回の60.3点をやや上回った。ブロードバンドユーザーの平均が67.6点、ナローバンドユーザーが60.8点で、またブロードバンドユーザーは58.4%が61点以上の評価をつける(ナローバンドでは43.7%)など、ここでもブロードバンドとナローバンドの違いが大きく現れている。
◆「インターネット白書2002」財団法人インターネット協会監修 7月5日発売 本体価格4,800円(税別)株式会社インプレス発行
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(2002/7/8)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]