【事業計画】

米RealNetworks、Ogg Vorbisを「HelixDNAクライアント」に統合へ

■URL
http://www.realnetworks.com/R/HLrnhp_072202R/www.realnetworks.com/company/press/releases/2002/xiph.html
http://www.helixcommunity.org/content/client.html
http://www.xiph.org/

 米RealNetworksとオープンソースソフトウェア開発のための非営利団体米Xiph.org Foundationは24日、Ogg Vorbisフォーマットのオーディオコーデックを「HelixDNAクライアント」に統合する作業を共同で進めることを発表した。

 HelixDNAクライアントはRealNetworksが今週発表したオープンソースのデジタルメディアソフトで、今後90日以内にHelixコミュニティーに向けてソースコードが公開される予定となっている。またOgg Vorbisはオープンソースで開発され、特許侵害の懸念がなく、ロイヤリティーを支払わずに利用できる音声圧縮技術で、最近正式にバージョン1.0が発表されたばかりだ。

 今回の発表により、RealNetworksが7年間にわたって開発し続けてきたデジタルメディア再生用のエンジンとOgg Vorbisフォーマットのコーデックを組み合わせたソフトウェアを開発者たちが作ることができるようになる。

 また今回の提携の一環として、RealNetworksはXiph.org Foundationのスポンサーとなり、現在配布されているRealOne Player向けのOgg Vorbisプラグインを開発する。このプラグインが完成した暁にはRealNetworksのAutoUpdateサーバーを通してRealOne PlayerやRealPlayerの利用者向けに配布されることになる。さらにHelix Universal Server向けにもOgg Vorbisプラグインが開発される予定だ。

 この提携についてXiph.org FoundationのCEOであるEmmett Plant氏は「HelixDNAクライアントとOgg Vorbisオーディオフォーマットのコンビネーションは、オープンソースコミュニティーと、より大局的には全世界にとって大きな前進となる」とコメントした。

 RealNetworksが今週初めに発表した「Helix」ではRealAudio、RealVideo、Windows Media、QuickTimeなど55のフォーマットを一つのサーバーで配信できるようになり、配布されるクライアントもそれらのフォーマットに対応することになっている。今まで別々のプラットフォームでしか配信、再生できなかったフォーマットがすべて「同じ」土俵に乗ることから、フリーソフトウェア活動家を含む多くの識者は「最も恩恵を受けるのはオープンソースで開発されているOgg Vorbisフォーマットである」と考えているようだ。これまでOgg Vorbisフォーマットはベータ版の状態が長く続いてきたが、時期よくバージョン1.0が正式に発表され、仕様書とともにライブラリーやオープンソースのエンコーダー、クライアントプラグインが発表されることにより、Ogg Vorbisフォーマットのコンテンツが今後飛躍的に増える可能性がある。

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(2002/7/25)

[Reported by taiga@scientist.com]

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