【提携】

DTIとTTNetがISP事業で資本・業務提携を締結
~サポートのDTIとインフラのTTNet、相互の強みを活かす

■URL
http://www.dti.ad.jp/
http://www.ttnet.co.jp/
http://www.melco.co.jp/

左からDTI社長の肥田木 誠氏、三菱電機の松田 章取締役、TTNet社長の白石 智氏

 三菱電機株式会社、株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(以下、DTI)、東京通信ネットワーク株式会社(以下、TTNet)の3社は25日、ISP事業について業務提携を行なうと発表した。また、提携に伴い三菱電機の保有するDTI株の30%にあたる2,265株をTTNetに譲渡する。譲渡価格は、1株約35万円で7月30日に譲渡を行なう予定。

 今回の提携による両社の狙いは大きく分けて二点となる。一つ目は、ISP事業の共同企画と実行だ。DTIの定評のあるカスタマーサポートと、TTNetが保有するネットワークインフラをお互いに持ち合い、補完することを目的とする。また、TTNetとしては、「今後、光通信サービスを開始した際に、最も重要項目となるセキュリティー関連分野において、三菱電機の持つ暗号や認証の技術は非常に魅力的だった」(TTNet社長白石 智氏)という。また、インフラコストの負担が大きいISP事業にとっては、インフラの共有はコスト削減のためにも、非常に有用だとの狙いがある。

 二点目はユーザー数、カバレージの拡大による各種サービスの充実だ。現時点で両社は、DTIが30万人、TTNetが22万人の会員が在籍しており、提携によって約52万人の会員数となる。しかし、現在大手のISPは数百万人の会員数を有しており、52万人になったとしてもまだ規模は小さい。この点について、白石氏は「確かに、50万人程度ではまだまだ小規模だ。しかし、単独の22万人と比較すると倍増となる。今回の提携を第一歩として、今後も提携の拡大などを視野に入れて考えていきたい」と語った。

 他の提携内容としては、ISP事業の一環として、「ブロードバンドコンテンツ配信サービスの共同企画・運営」、「IPv6などの新技術の共同開発」、「顧客管理・課金システムの共同開発」などが挙げられており、今後もこの項目に関しては、必要に応じて増やしていくという。

 今回の提携に関して、DTI社長の肥田木 誠氏は「昨年期、DTIは7億円の赤字を出すなど、経営的に厳しい状態となっていた。これを改善するためにも、今回のようなお互いの利点を活かし、欠点を補完する提携が必要だったといえる。この提携をきっかけにして、早期の黒字化を目指す。また、昨年暮れに発表したhi-hoとの提携は、資本関係がないために、今回の提携よりは弱いと言えなくはないが、今後も維持していきたい」と語った。

 また、TTNet社長の白石 智氏は今回の提携について「TTNetは、インフラ投資先行できた感があり、まだ営業を開始して3年と言えども、会員数はわずか22万人だ。この欠点を補うことを最優先で考えた結果、今回の提携に繋がった。当社は、DTIのサポート力と光通信時代が来た際に必ず必要になるセキュリティー技術によって、ユーザーに安心して利用できるサービスを目指していきたい」と語っている。

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(2002/7/25)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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