【特集】

四半世紀前の小学生たちに贈る
夏休みの“大人の自由研究”


 今の小学生にとって、インターネットで自由研究のテーマを探すという行為は一般的なのだろうか? 7月も半ばを過ぎると、本誌で過去に掲載した自由研究関連サイトの特集記事へのアクセスが急増する(アクセスランキング7月15日版7月22日版7月29日版8月5日版参照)。今年も最新版のリンク集を掲載したが、これだけでなく1年前5年前の記事もアクセスを集めるほどである。

 そこで一つ提案だ。これを子供たちだけに独占させておくのはもったいない。実はインターネット上には、本誌のメイン読者層でもある、四半世紀前に小学生だったであろう貴兄が喜びそうな自由研究テーマがゴロゴロしているのだ。

 今回は、そんな“大人の自由研究”に関するウェブサイトを集めてみた。会社が夏休みの方も多いと思われるこの時期、少年に戻った気分で楽しんでみてはいかがだろうか。

●子供よりも大人がハマる自由研究テーマその1:スライムを作る

「スライムの化学」には、その分子構造について説明するコーナーもある
 子供向けに開設されている自由研究サイトを眺めていると、必ずといっていいほど登場する実験テーマがあるが、中には「なぜこのテーマが?」と思ってしまうものがある。その代表が「スライムを作る」だ。

 どうやら液体洗濯糊などの材料があれば簡単に作ることができるためらしいが、「日本のおもちゃ情報」の「レトロ玩具館」コーナーにある年表によると、スライムが流行したのは今から20年以上も前の1978年のこと。今の子供たちがスライムなんて喜ぶのだろうか? 子供向けに紹介されている割には、大人のほうが喜びそうなテーマに見えるのだが……。

 ところが「スライムの化学」によると、これがけっこう評判がいいということらしい。ラメなんか混ぜた日には、女の子が大喜びなのだそうだ。それはさておき、このサイトではスライムの作り方をQuick Timeムービーを交えながら解説しているほか、その分子模型やスライムに関する学会論文まで紹介している。作るだけではなく、スライムに関する化学知識を身に付けるのにも役立ちそうだ。

 もう一つ、スライムに関する実験では、「field note」というウェブサイトもおすすめだ。この中の「楽しい実験室」というコーナーに、「動くスライム!」の作り方が載っている。「アメーバのようにゆっくりと」動くというスライム、そのタネと仕掛けについては実際にアクセスして確認して欲しい。

■日本のおもちゃ情報
http://www.toynes.or.jp/

■スライムの化学
http://wchem.iwa.hokkyodai.ac.jp/~u5095/suraimu/index_j.html

■field note
http://www.imasy.or.jp/~saexa/

●子供よりも大人がハマる自由研究テーマその2:ペットボトルロケット

 「ペットボトルロケット」も自由研究サイトでは、よくとり上げられているテーマだ。昔はそんな容器はなかったため、逆に大人にとっては新鮮な自由研究テーマと言える。しかしその一方で、追求するとどこまでもハマってしまうから、始める前には覚悟が必要だ。

 初心者であれば、まずは「ペットボトルロケットめざせ100m!」を読んでみるといいだろう。ペットボトルロケットの原理や作り方、遠くに飛ばすコツなどを解説しており、身近な材料と簡単な作業で製作できることがわかる。

 一方、これは面白そうだと感じたら、「日本ペットボトルクラフト協会インターネット支部」をじっくりと読んでみるといいだろう。製作方法などが図版入りで詳しく解説されている。また、夏休み中にも競技会が予定されているようなので、これを見学に行くのもいいだろう。

■ペットボトルロケットめざせ100m!
http://www.hikari-jhs.yamaguchi-u.ac.jp/USER/YTANAKA/Rocket.html

■日本ペットボトルクラフト協会インターネット支部
http://pcaj-i.jp/

 さらにペットボトルロケットで物足りなくなったら、「モデルロケット」関連のウェブサイトにアクセスしてみよう。モデルロケットとは、火薬を使ったロケットエンジンを推進力とした、いわば本物のロケットのスケールダウンモデルと言えるものだ。自分で設計・製作して発射する面白さから、日本でも愛好者が増えているようである。ここでは、「日本モデルロケット協会」のサイトと愛好者のサイト「S.SHIOTA's Model Rocket Page」を紹介しておく。

■日本モデルロケット協会
http://www.ja-r.net/

■S.SHIOTA's Model Rocket Page
http://www.st.rim.or.jp/~shushi/rocketj.html

●子供よりも大人がハマる自由研究テーマその3:花火を作る

 バケツいっぱいのスライムを堪能し、ロケットを発射しまくった後、夜は夏の風物詩である花火に挑戦してみよう。

 「すぐできる☆なるほど☆ザ☆科学実験室」で紹介されている「花火の色を作ろう」という実験では、ゲル燃料、食塩、電気コード、みょうばんなどの材料を使って、赤や黄色や緑の炎がどうやって出されるかを確認できる。

 ただし、この実験ではここまで。まさか素人が本物の花火を作るわけにはいかないので、どうしてもという方は、日本IBMのウェブサイトにある「インターネットで花火を作ろう!」というページにアクセスしてみよう。かなり前に公開されたコーナーだが、「八重芯牡丹」や「土星型」などの型や好きな色を組み合わせて、オリジナルの花火が打ち上げられるJavaプログラムを楽しめる。

 このほか、火を使う実験としては、前述「field note」に紹介されている、砂で火山を作って点火するという実験もかなり興味をそそられるところだ。

■日本分析化学専門学校「すぐできる☆なるほど☆ザ☆科学実験室」
http://www.bunseki.ac.jp/naruhodo.html

■インターネットで花火を作ろう!
http://www.ibm.com/jp/ibm2000/indexhana.htm

●大人で独占してしまいたい高度&高価な科学実験キット

「中村理科工業株式会社」のウェブサイト。トップページにも「燃料電池自動車NIX」が掲載されている
 スライムやペットボトルロケットなど、身近な材料であまりお金をかけずに取り組める実験については、百歩譲って子供たちに楽しませてやってもいい。しかし、これから紹介するような実験キットは、正直言って子供に与えるのは惜しい。価格自体が高価なこともあり、財力にものを言わせて、大人で独占してしまいたいものばかりだ。

 まずは、本誌7月29日号掲載の特集記事でもとり上げた「中村理科工業株式会社」のウェブサイト。取り扱い商品は1万5,000点以上にも及ぶとしており、子供の夏休みの自由研究向けの実験セットなども紹介・通販されている。しかし、その中で目を引いたのが「燃料電池自動車NIX」という商品だ。

 燃料電池とは、酸素と水素を反応させて電気を発生させる新しい発電装置で、最近ではガソリンに替わる自動車のエネルギーとして注目されているのはご存じの通りだ。このキットでは、模型自動車を使ってその仕組みを再現できる。価格は3万9,800円。まさに大人向けである。

 このほかにも同社の通販コーナーには、大人買いマインドをそそる商品がたくさんある。例えば、エネルギー変換の実験器という蒸気機関車のミニチュアは、本当に小型のボイラーがついていて蒸気の力で走る。また、理科室にあるような本物(?)の人体模型の品揃えも豊富だ。

■中村理科工業株式会社
http://www.rika.com/

 もう一つ、イーケイジャパンの「エレキット」のウェブサイトも、大人には必見だろう。電子工作キットでは定番のシリーズで、ロボットからオーディオ、基板に至るまでさまざまなキットがラインナップされている。例えば、マイコンを搭載した自律型のサッカーロボット「MR-9152」。付属のPC用ソフトで命令プログラムを記憶させ、競技させることが可能だという。価格は1万2,800円と、わりと購入しやすい額だ。

■ELEKIT
http://www.elekit.co.jp/

●今の小学生には通じない? 懐かしの実験と工作

 新しめの技術が取り入れられたテーマの次は、ノスタルジックなテーマだ。

 まず、「昆虫採集セット」は挙げなければならないだろう。昆虫標本を作るためのツールとして、切れ味の悪いメスと注射器、虫に注射する薬品(赤と青のボトル)がセットになっているのがポピュラーだったようだ。果たしてこれが実用に耐えるかどうかということは別にして、四半世紀前の小学生にとっては必携(?)だった。

 インターネット上でも昆虫採集セットにまつわる思い出をつづったページがいくつも見られるが、安全面などの問題からだろうか、残念ながら今では商品として見かけなくなってしまった。「まぼろしチャンネル−昭和の思い出ネットワーク」の「思ひ出玩具店『昭和ニコニコ堂』」というコーナーに、“昭和B級文化”研究家である串間努氏によるエッセイが掲載されている。「日本昆虫採集セット戦後史」なる年表までまとめられているこのページを見ながら、ノスタルジーに浸りたい。

■まぼろしチャンネル−昭和の思い出ネットワーク
http://www.maboroshi-ch.com/

 タミヤの「楽しい工作シリーズ」にお世話になった方も多いことだろう。モーターやギヤボックス、タイヤ、板など、必要なパーツがセットになっており、プラモデル感覚で自動車などの工作が行なえる商品だ。これを組み立て、宿題の工作としてそのまま提出してひんしゅくをかうのが、お決まりのパターンだったのではないだろうか。

 タミヤのウェブサイトを見ると、「4輪駆動車工作基本セット」など見覚えのあるキットは今でも残っているようだが、ラインアップはかなり変わってしまったようだ。紙に書いた線を自動的にたどる「かたつむりライントレーサー工作セット」などの“ハイテク”なキットがラインアップされているところにも時代の流れが感じられる。

 タミヤのウェブサイトでは、同社のパーツを使ったロボットの製作方法を紹介している「ロボコン情報」のコーナーもおすすめである。

■タミヤ工作カタログ
http://www.tamiya.com/japan/kousaku/k_item/k_mini1.htm

■タミヤ・ロボコン情報
http://www.tamiya.com/japan/robocon/robocon.htm

 3つめは、「紙飛行機」を紹介したい。紙といっても、きちんと理論に基づいて設計されたかなり本格的なもので、切り抜いて組み立てるキットや本を買ったことのある方もいらっしゃるだろう。今では、PS用の専用設計ソフトも開発・配布されており、必ずしもノスタルジックというわけではない。しかし、昔はよく作ったのに大人になるにつれてまったく作らなくなるのはよくあることだ。そんな方にとっては、紙飛行機を作るという作業に、どこか懐かしさを感じるのではないだろうか。

 「航空母艦pipo」は、そういった本格的な紙飛行機の作り方を紹介したサイトだ。設計図をPDFファイルなどでダウンロード配布しているほか、オリジナル機の設計のヒントも掲載している。さらにリンク集を辿れば、紙飛行機に熱い情熱をかけたサイトを訪れることができる。

■航空母艦pipo
http://www3.justnet.ne.jp/~pipo/index.htm

●手軽に味わえる科学の原理とノスタルジー

「懐かし屋スターキッズ」では、科学玩具以外にもノスタルジックな商品を多数扱っている
 最後の項目として、懐かしい“科学玩具”をいくつかピックアップしたい。「地球ゴマ」「平和鳥」「ローソク船」「バランスボール」などである。

 「懐かし屋スターキッズ」は、その名の通り懐かしいグッズを販売しているショップのサイトで、平和鳥や地球ゴマ、バランスボールなどが注文できる。また、前述の中村理科工業株式会社のサイトでも、平和鳥や地球ゴマ、ローソク船などを取り扱っている。

 自由研究の実験や工作というものとはちょっと違うが、その原理を学ぶだけでも自由研究になりそうなシンプルな玩具がけっこうあったのである。

■懐かし屋スターキッズ
http://www.starkids.co.jp/gang/natukasi.html

(2002/8/12)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp / Watchers]

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