【業界動向】

ナスダック・ジャパンが10月に営業停止~市場は大証が継続

■URL
http://www.nasdaq-japan.com/corp/release/20020816_01.html (ナスダック・ジャパンのリリース)
http://www.ose.or.jp/news/0208/020819a.html (大証のリリース)
http://www.softbank.co.jp/news/newsrelese/2002release/020816.htm (ソフトバンクのリリース)

ナスダック・ジャパンのサイトへ  2000年に開設した株式新市場「ナスダック・ジャパン」が、10月に営業活動を停止すると発表した。

 ナスダック・ジャパン(以下NJ)は米NASDAQとソフトバンク、大阪証券取引所(以下大証)などが中心となって2000年6月に開設。マーケティングと新売買システムの開発をナスダック・ジャパン株式会社(以下ナスダック社)が担当、大証が決済や市場管理、上場審査などを行なっていた。従来の市場と比べて上場基準を低く設定し、これまでにベンチャー企業などを中心に約100社が上場していた。
 しかし、IT不況や経済状況の悪化から、開始当初に見込んでいた“数百社が上場する状況”にはならず、ナスダック社の経営環境も悪化し、2001年末には約53億円の累積損失を計上していた。また設立当初から打ち出していた“米・欧・日を結ぶ24時間市場取引”も実現できずにいた。一方、米NASDAQは8月7日に発表した2002年第2四半期の決算報告で、NJへの投融資2,010万ドルの損失処理を行ない、「NJへの投資は当面利益を生むことはない」という見解を示していた。

 営業停止は、8月16日にナスダック社の臨時取締役会で決議され、同日に大阪証券取引所へ業務協力契約の解消として通知された。10月15日付けで正式に業務協力解消が成立し、NJとしての営業活動は停止となる。ただ、市場そのものは大阪証券取引所が継続する予定で、NJを「ジャパン・ニュー・マーケット」(仮称)に改称し、引き続き運営することを表明している。
 ナスダック社では活動停止の理由を経済および市場環境の悪化としているが、米NASDAQのグローバル戦略は引き続き展開する方向で、今後はヨーロッパの市場強化に注力するという。またソフトバンクは、「ナスダック社への投資額は約12億円で、ナスダック社の撤退による影響は投資額の範囲内に限定される」との見解を示している。

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(2002/8/19)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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