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TTC審議会でADSLスペクトラム新ガイドラインが白紙に
~「我々の主張が認められた大きな前進だと認識している」孫氏

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http://bb.yahoo.co.jp/

「我々は正々堂々と、我々が正しいと思うことを言っているだけだ」と言う
孫 正義社長

 ビー・ビー・テクノロジー(以下、BBT)は30日に記者説明会を開催し、29日に行なわれた社団法人情報通信技術委員会(TTC)の会合において同社の主張が認められ、同委員会で審議が続けられている議題がいったん白紙に戻ったと説明した。

 BBTが指摘しているのは、TTCの「SWG(サブワーキンググループ)4-6-5」において議論されているガイドライン「メタリック加入者線伝送システムのスペクトル管理(TTC標準JJ100.01)」の草案について。BBTは19日に、Yahoo! BBが既に提供を開始している最大12MbpsのADSLサービスで利用している規格「Annex A.ex」が他方式に干渉するとして、その使用を制限する内容が盛り込まれようとしている動きに対して、策定の過程などを含めて不当なものであると訴えていた。

 この動議を踏まえて行なわれた29日の会合では、「我々が不当として引き下げを求めていた『TTC標準JJ100.01』の草案がいったん白紙状態になった」(孫正義BBT社長)という。また、同社が主張していたSWG4-6-5委員長等の人選に関しても「総務省やNTTを含めて、今後、人員の選定などを前向きに検討することとなった」(孫社長)と、同社の主張が認められた形になったという。

 ガイドライン「TTC標準JJ100.01」草案では、ADSLの規格をクラスA、B、Cの3種類に分け、クラスCに認定された場合は一定の規制を設けるなどの検討がされていた。また、Yahoo! BBが採用しているADSL規格「Annex A.ex」がTTC標準として認められないという趣旨も含まれていたという。さらに、29日に新たに提出されたガイドラインでは、孫氏によると「今まで我々が認識していたものとは異なり、我々が知らないところで新たに8月22日に作られたものとなっていて、到底認めることができないもの」となっていたとのこと。その後の議論で、このガイドラインはいったん白紙の状態に戻ったという。

 現在「SWG4-6-5」のリーダーは、BBTの競合事業者イー・アクセスのCTO小畑至弘氏が務めている。この点に関しても孫氏は「競合他社の取締役がリーダーを務めているなど、ADSL事業の標準化を検討する委員会としては人選が適していない。もっと中立的な人選を行なった上で検討すべきだ」と語っていた。この点に関しても29日の会合においては、「このような組織のあり方についても再検討しようということになり、大きく前進したと私は認識している」(孫社長)と、孫氏の主張が認められた形となったという。

 29日に行なわれたTTCの会合は非公開となっているため、どのような経緯で、孫氏が言うような「ガイドラインTTC標準JJ100.01が白紙になった」かは不明だ。しかし、孫社長が以前より懸念していた、「NTTの約款改定による『Yahoo! BB 12M』のサービス停止」も無くなり、この白紙により当面「Yahoo! BB 12M」のサービスは継続可能となるとみられる。

 このような状況が、孫社長の「我々は正々堂々と、我々が正しいと思うことを言っているだけだ。それが、周りに認められたということだけ」という発言に繋がっていると考えられる。なお、BBTが先日イー・アクセスCTOの小畑至弘氏を訴えた件と今回の会合の結果への関係については、別問題だとして言及を避けた。

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(2002/8/30)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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