【セキュリティー】

NTT東日本、セキュリティー対策サービス「フレッツ・セーフティ」を提供開始
~トレンドマイクロと提携し、ウィルス対策等を提供

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0209/020930b.html
http://www.ntt-east.co.jp/release/0209/020930c.html
http://www.trendmicro.co.jp/company/news/2002/news020930b.asp

 NTT東日本とトレンドマイクロ株式会社は、セキュリティーサービスに関する提携を行ない、フレッツユーザー向けのセキュリティー対策サービス「フレッツ・セーフティ」を10月1日より提供開始すると発表した。対象は、「フレッツ・ADSL」と「Bフレッツ」ユーザーとなっており、提供地域は当初東京より開始し順次拡大予定だ。価格は、PC1台接続の場合で月額300円、PC2~5台接続の場合で500円となっている。なお、「フレッツ・セーフティ」を利用するためには、セキュリティー機能付きブロードバンドルーター「Web Caster GateLock X200(以下、X200)」を購入する必要がある。

 「フレッツ・セーフティ」は、フレッツ利用の個人ユーザーがトレンドマイクロの提供するX200を設置することにより、ウィルス対策や不正アクセス防止などの各種セキュリティー対策を受けることができるというもの。

 「フレッツ・セーフティ」に加入したユーザーは、X200をモデムとPCの間に設置することにより、X200がルーターとセキュリティー対策装置としての役割を果たし、従来PC毎にアプリケーションソフトをインストールしなければならなかったものを、ネットワークの入り口で一括して防御するという。ただし、「フレッツ・セーフティを利用することにより、ネットワーク経由で感染するメール添付型のウィルスなどにはほぼ対応できるが、フロッピーディスク等による直接PCに感染するケースまでは対応しかねる」(NTT東日本)とのこと。

 実際にX200を設置すると、X200は地域IP網上のフレッツ・スクウェアに設置されているセーフティサーバーに、ウィルスのパターンファイルなどを6時間毎に自動的にチェック・更新する。X200が自動的に更新を行なってくれるので、ユーザーはパターンファイルの更新忘れなどを防止できる点が特徴だ。ウィルスの検知・駆除機能のほかにも、不正アクセス防止機能などを搭載している。実際にウィルスが来た際には、当該ウィルス添付ファイルに対策を行なった上でPCにメールを送信するので、PCが感染することはまず無いという。また、ユーザーからの送信メールもウィルスチェックする。なお、X200はフレッツ・スクウェアへ更新チェックのために、1つのセッションを占有する。NTT東日本では9月24日に同時接続セッション数を現状の1つから2つに追加しており、このためX200がフレッツ・スクウェアへ接続していても、もう一つのセッションを利用してユーザーのISPへの接続が可能になるという。

(左)NTT東日本の古賀 哲夫常務取締役
(右)トレンドマイクロのスティーブ・チャン社長
実際にウィルスを受信するとこのように、GateLock側で対処後PCに送られてくる
「フレッツ・セーフティ」のサービス提供イメージ図 実際にウィルスが送信されたり、不正アクセスがあるとランプがこのように赤く点灯する

 X200は、トレンドマイクロが2001年より提供を開始している「GateLock X200」をフレッツユーザー向けに改良したもの。スループットは、約10MbpsなのでBフレッツではやや力不足の感がある。この点から、当面は「フレッツ・ADSL」ユーザーをメインユーザーとして販売を行ない、Bフレッツユーザー向けには改めてスループット向上などの対応を行なった製品の開発を検討しているとのこと。販売形態は、当初NTT東日本の直販という形で販売され、その後は通常の販売店での販売も行なうとのこと。価格は、1万5,800円となっており、レンタルでの提供はしない。

 NTT東日本の古賀 哲夫常務取締役は「今までフレッツユーザーに対して、セキュリティー対策サービスを提供しておらず、セキュリティー不足感は否めなかった。今回、一年がかりでトレンドマイクロと共同サービスを模索し、フレッツ・セーフティのサービスに至ることができた。今回のサービスでは、個人ユーザー限定のサービスとなっているが、SOHOや中小企業向けにもサービスを提供したいと考えており、現在準備中だ。なお、NTT西日本でも同様のサービスを提供するだろうが、まだ発表段階には達していない」と語った。

 続いてトレンドマイクロのスティーブ・チャン社長は「ブロードバンドユーザーの増加により、常時接続が普及した。これにより、今までメールだけしかやっていなかったユーザーがゲームやストリーミングなども行なうようになるだろうが、より危険になったと言える。GateLockは今まで法人向けに提供していたのだが、このような事情により個人向けにも提供することにした。今回のようなソフトウェアと通信会社の提携は新たな形として道を切り開くだろう」と語った。

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(2002/9/30)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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