1998年2月25日
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○東京上空にも高速データ通信用飛行船が
○ネット上での決済サービス二題
○IDOが「DA・RE・DE・MOインターネット」開始
余談3題:ニッセイのインターネット・キャッシング/「ケーブルフォン」値下げ/AOLでW杯サッカーツアーを
追記:2月19日号のNEWS
Watch追記の衛星「かけはし」打ち上げについて/休刊連絡
○東京上空にも高速データ通信用飛行船が
毎日新聞1面と日経新聞11面には、米通信ベンチャーのスカイステーション・インターナショナルとトーメンが提携し、都市上空約20kmに大型飛行船を静止させて、高速無線データ通信などのインフラとして提供する事業を推進するという記事が掲載されている。飛行船1機(約5年間連続浮遊可能)で通信領域として地上半径500kmをカバーするので、日本上空には5~6機浮かばせれば十分であるという。データ速度も上り(地上から飛行船に向かって)が2Mbps、下りが10Mbpsの高速回線が実現できるようだ。米社社長も24日に、米国で2001年から、東京では早ければ2002年から実用化が見込まれていると発言している。
インターネット通信での利用をメインにしているシステムと考えて、間違いはないだろう。地上側のデータ送受信機器など、パーソナルな需要にも応えられるものが開発出来るかどうかが、今後の課題だ。
また日本では郵政省を中心として、98年度から同じ様な構想での「成層圏無線プラットフォームに関する研究開発」を予定しており、日米の開発競争も激しさを増すことになる。
○ネット上での決済サービスに関する二題
日経産業新聞2面と日刊工業新聞9面には、NTTソフトウェアが25日、インターネット上でデジタルコンテンツの登録から販売、代金決済まで一連の作業を一括管理できる仮想商店向け電子商取引システム「InfoPack(インフォパック)」を発売するという記事が掲載された。想定ユーザーは出版会社や通販業界、プロバイダーなどで、電子クーポンを使う簡易型小額決済とクレジットカード決済の2種類の支払い方式を選べると書かれている。
また同じく日経産業新聞2面には、ソフト販売ベンチャーのベクターが3月25日から、ホームページからのシェアウェア配布でクレジットカード方式の決済代行サービスを始めるという記事も掲載されている。
デジタル・コンテンツの商売を考える上で必要なサービスではあるのだが、窓の杜のようにユーザー側に立ったデジタル・コンテンツ評価・提供サービスに比べて、上記2件はコンテンツ制作者と販売者側に立ったサービスのように感じられる。
○IDOが「DA・RE・DE・MOインターネット」開始
日刊工業新聞13面と日経産業新聞7面には、日本移動通信(IDO)が24日、携帯電話を使って通信料だけでインターネット接続が行えるサービス「DA・RE・DE・MO(だれでも)インターネット」を3月1日から始めると発表したという記事が掲載された。既に別途契約しているプロバイダーのメールアドレスをそのまま使えるのが最大の特徴で、同サービスは申込料や付加使用料もかからず、接続時間に応じたデータ通信料(1分10円から)のみで利用できる。また携帯用の専用アドレスの使い分けも可能で、サービスはプロバイダーのインターキューの協力で提供するという。
これまであった情報提供サービス「IDOクイックダイヤル」への追加サービスとなっている。料金付加無しに職場や自宅などとシームレス(境界無し)なインターネット環境を整えられれば、携帯電話を使いたいと思わせるサービスとなるだろう。
余談その1:ニッセイのインターネット・キャッシング
日経新聞7面には、日本生命保険(ニッセイ)が4月1日から、保険業界で初めて保険契約者を対象にインターネットを利用したキャッシングなどのサービスを始めるという記事が掲載された。積立配当金や据え置き保険金などの残高照会と引き出し、契約貸し付けやカードローンの借り入れなどが、インターネット上で行えると書かれている。利用には同社が保険契約者向けに発行する「ニッセイカード」が必要で、カード申込時に登録した4ケタの暗証番号と11ケタの取引番号をホームページに入力すると、各サービスが受けられるとのこと。
ATM(現金自動預け払い機)展開を行っている金融・証券業者にとって、上記のサービス展開は比較的容易に移行出来ると思われる。今年4月の金融ビックバンを控えて、このようなサービス展開が増えることだろう。
余談その2:「ケーブルフォン」値下げ
日経新聞13面&日経産業新聞2面そして日刊工業新聞2面には、住友商事系のCATV統括会社のジュピターテレコムが24日、東京都杉並区内で提供しているCATV網を活用した電話サービス「ケーブルフォン」の料金値下げを郵政相に申請したと発表したという記事が掲載された。3月からジュピターの加入者間の市内通話料を昼間で3分5円の深夜で4分5円とそれぞれ3.5円値下げし、NTTと比べて最大50%安くしている。長距離も160km超で平日昼間が3分68円と17円値下げし、NTTや新電電より10~20円安くする料金体制とするようだ。
TTNetの東京電話やNTTのタイムプラスといった関東圏での格安電話サービスとの対抗上、CATV電話も通話料金を値下げせざるを得なくなった形だ。ただしCATV加入者以外との通話は対象外なので、他通信事業者との接続料金の高さがユーザー獲得の障壁になる可能性もある。
余談その3:AOLでW杯サッカーツアーを
日経産業新聞2面には、AOLジャパンが24日から、日通旅行と提携して会員向けに「98W杯サッカー日本応援フランスツアー」を販売するというという記事が掲載された。両社がコンテンツ提供契約を結んだ第一弾のサービスで25組50人分を用意しており、3月20日が申し込み締め切りとなっている。応募者多数の場合は抽選になるようだ。
こういった人気の高そうな企画というのも、キラー・コンテンツと呼べるだろうか。
追記:2月19日号のNEWS
Watch追記の、衛星「かけはし」打ち上げについて
既に各報道でご存じだろうが、21日に打ち上げられた通信放送技術衛星「かけはし」について、宇宙開発事業団(NASDA)は23日、第2段エンジンの第2回燃焼時間が短く、静止衛星軌道投入に失敗したと発表したので、ご報告しておく。
おかげで昨日から私が参加している「第17回AIAA
ICSSC国際宇宙産業展」においても、展示内容をすげ替えるために徹夜したなどの影響があった。
休刊連絡:
先日報じた「第17回AIAA
ICSSC国際宇宙産業展」(展示は26日まで、入場無料でパシフィコ横浜にて開催)の参加のため、26日のNEWS
Watchを休刊とさせていただきます。
何卒ご了承下さるよう、お願いいたします。m(__)m(明日は展示会場受け付け付近におりますので 、何なりとお声をおかけ下さい。(^_^)
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