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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年3月2日


HEADLINE 3 articles

NTT、KDD共に97年度は減収減益に
光通信容量を10倍引き上げる中継器
バックウェブのチャンネル拡充
余談
3題:アクティブ・イエローページ/ワールドコム・ジャパンが外資100%企業初の第一種電気通信事業者に/インターネット家電製品修理・技術情報提供/休刊のお知らせ


 

○NTT、KDD共に97年度は減収減益に
 2月28日の日経新聞9面と日刊工業新聞5面、及び3月2日の日経産業新聞9面には、NTTとKDDが2月27日に郵政省に対して認可申請した「98年度事業計画」についての記事が掲載されている。
 まずNTTが認可申請した計画では、売上高は97年度実績見込み比0.8%減の6兆4,590億円、経常利益は同29.2%減の2,740億円と5年ぶりの減収減益となっている。ISDNやOCNなどの専用収入が27.2%の増加を見込んでいるが、一般の加入電話数が1年で135万台減少したことや通話料金値下げ競争などによる収入減が収益に影響しているという。
 またKDDが認可申請した計画では、売上高は97年度実績見込み比7%減の2,940億円、経常利益は同43.8%減の90億円と3期連続の減収減益となっている。各種割引きサービスによる通話料金収入低下と日本列島周回海底ケーブル「JIH」などへの設備投資額が大きくかさんだことが、減収減益の原因としている。

 NTTはアクセス網の光化(FTTHなど)を、KDDも国内通信サービスJIHなどに取り組むことを全面に押し出しているが、今後何時からどれくらい収益改善に寄与できるかは不透明であろう。
 リストラ策も企業としては取るところだろうが、通信事業そのものも、長距離や国際通信をつなぐだけのサービスから、デジタル通信を含めた通信環境(ソリューション)を整えるような高付加価値サービスへと移行を急ぐ必要がある。


○光通信容量を10倍引き上げる中継器
 本日の日経新聞19面には、NTTが光通信網を増設しなくても通信容量を約10倍に引き上げられる中継器を開発したいう記事が掲載された。これまでの中継器は増幅可能な多重化した信号が16波で伝送容量も10Gbpsだったが、4月からNTTエレクトロニクスにて実用化されるものは、「波長多重」方式を使って同時に140波の信号を増幅出来るという。将来的には現在の百倍の1T(テラ)bpsまで引き上げることを目指す。この中継器を使うだけで既存の光ファイバー網をそっくり大容量化できるという。

 このところの政府高官の口からも規制緩和策の一環で「情報通信分野」への一層の注力が叫ばれている。また、光ファイバーの全国整備(FTTH)の目標をこれまでの2010年から2005年に前倒しする件も浮上していることから、それらを促進する有望な技術が開発されたと言える。
 前項の収益の件とも絡むが、この技術開発をいち早くFTTH普及に反映させることを一番望んでいるのが、NTT本体そのものではないだろうか。


バックウェブのチャンネル拡充
 日経産業新聞2面には、「プッシュ技術」のシステム販売会社のバックウェブが、バンダイディレクTVギャガ・コミュニケーシ ョンズタワーレコードインフォシーク、小室哲哉 の公式サイト「TKGateway」の6種類の日本語ホームページ情報を自動配信するサービスを開始したという記事が掲載された。閲覧は無料で、利用者はバックウェブまたは各社のホームページから、バックウェブの無料専用ソフトをPCにダウンロードして見たいホームページを登録しておけば、今後更新された最新ホームページ情報が自動的に配信されると書かれている。同社はイントラ/エクストラネット向けの人事管理システム販売などを主力としており、この情報配信サービスを行うことで同社の認知度の向上などを狙う。

 IE4.0やネットスケープ・コミュニケータなど、プッシュ技術を搭載したブラウザー・ソフトが主流となりつつある今、その他のプッシュ・サービス会社は対抗上、チャンネルの増加とともにその質や情報の価値、使い勝手という部分での差別化も必要となりそうだ。



余談その1:アクティブ・イエローページ
 日経産業新聞2面には、ニチメンコンピュータシステムズ(NCS)が、簡易型イントラネット構築ソフト「アクティブ・イエローページ」を開発したという記事が掲載された。情報発信者がホームページのコンテンツを作成する際に、HTMLを使わずに市販のワープロソフトや表計算ソフトで作った書類を簡単にPDF変換できるのが特徴で、4月から同社ホームページ上でオンライン販売に乗り出す。新ソフトは1月から親会社のニチメンが社内で運用中で、コンテンツ作成や内容更新はパスワードで管理するとなっており、価格は5万円前後になる見通しだが、キャンペーン価格として先着100ユーザーまで2万9,800円で販売するという。

 一般的な事務情報などの情報共有化には、新たに操作方法を覚えなければならない簡易HTMLエディタよりも、使い慣れたソフトで作ったデータを一発でホームページに掲載できる仕組みの方が、受けがいいということだろう。

余談その2:ワールドコム・ジャパンが外資100%企業初の第一種電気通信事業者に
 2月28日の日刊工業新聞5面と3月2日の日経産業新聞9面には、米ワールドコムの日本法人:ワールドコム・ジャパンが2日、郵政相から第一種電気通信事業の許可を受けるという記事が掲載された。通信事業者に対する外資出資規制撤廃後初の外資100%企業への事業許可となるようだ。

 米国でMCIを買収したような通信事業でのダイナミックな動きが、果たして日本でも出来るかどうか、今後注目されるところだろう。

余談その3:インターネット家電製品修理・技術情報提供
 日経産業新聞11面には、三菱電機がインターネットを活用して、家電製品の修理や技術情報システムを構築し、系列の中小家電店への情報支援を強化するという記事が掲載された。地域店の持つ顧客データを吸い上げて、効率的な販促モデルを提示するなど販促支援にも活用するとも書かれている。

 97年12月19日のNEWS Watchでお伝えした、電機メーカー15社で開始予定の、家電製品協会(AEHA)の統一仕様で行なわれる家電製品の修理に関する情報サービスが、まず三菱からスタートしたようだ。しかし、このシステムをユーザー情報の吸い上げにも使うということなので、一般への情報公開は期待が薄いと思われる。

休刊連絡:
 明日のNEWS Watchは休刊とさせていただきます。どうかご了承の程を、お願い致します。m(__)m


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