ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年4月8日版


HEADLINE 4 articles

住友商事がADSLモデムを国内販売する
MSの「NetShow」をブラウザーに搭載
仮想ペット飼育ソフト「クリーチャーズ」
3Dバーチャル・リアリティ感触装置「ファントム」(新サイバー企画「モダンタイムス2001」)


[ADSL][モデム](レベルA)
住友商事がADSLモデムの国内販売準備

 日経新聞13面には、住友商事が、下りの伝送速度が8Mbps(上りは640kbps)のADSL高速処理モデムの国内販売を始める記事が掲載されている。米カリフォルニア州のアミティー社(Amiti Communications Corporation)製の物らしい。

 この2社の協力関係は、ADSLなどの通信関連の情報が得られる「xDSLオンライン」レポートの4月7日付記事アミティーのリリースにも掲載されており、日本での普及を意図としている事が書かれている。

 2月20日付けのNEWS Watchでも取り上げたように、このところ注目されているADSL技術だが、3月10日付の日経産業新聞にも、Aware社8MbpsADSLモデムを通信機器開発のソネット社(So-netではないらしい)が1台50万円で発売を始めることが掲載されたりなど、ここにきて日本への上陸も始まっているようだ。

 こういった既存のアナログ回線を生かすような技術自体が、日経新聞11面記事の、アナログ一般加入電話の契約回線数が電話開業以来始めて減少に転じたような、デジタル回線へのユーザーの流れにどの様に影響するか興味深いところだ。ADSL技術によりこれまでのアナログ回線のインフラが見直される日が来るとも限らず、ISDN回線などからの回線利用者の逆流などということもあるかも知れない。ISDNを促進しているNTTが、ADSLを今すぐに採用するとは考え難いが、その他の通信各社のADSLに対する対処の仕方も気になるところだ。


[ブラウザー][オンデマンド・イントラネット](レベルA')
●MSの
「NetShow」をブラウザーに搭載

 日経産業新聞2面には、日本のガルフネットコミュニケーションが米マイクロソフトから動画・音声再生ソフト「NetShow」の供給を受け、自社ブラウザーに搭載する記事が掲載された。ActiveX技術を応用しているようだ。

 「NetShow」は、日本語版もVersion1.0のβ版がダウンロード可能(英語版なら2.0β)だが、イントラネット用途が中心なのでIEなどのブラウザー関連技術程、注目はされていないのが現実だ。

 しかし、昨日(4/7)のやじうまWatchにもあるように、米サン・マイクロシステムズ社JavaOneコンファレンスにて、ActiveXのセキュリティ・ホールを指摘しているように、実際にイントラネットを「NetShow」も含めて構築した場合、Push型でデータが送られてきてしまう分、ますますセキュリティを注意する必要性が上がってくるだろう。(このあたりは、使い勝手とセキュリティーのバランス感覚の問題になってくるので、ジレンマが生じるところではあろうが...)

 なお「NetShow」は、現在ラスベガスで開催されているNAB'97(全米放送機器展)でもデモを行っており、MSのWebTV社買収(internet Watch記事参照)とともに、放送メディアへの注力もMSの新展開の一つとして位置付けられてきていることを示している。


[ゲーム][インタラクティブ](レベルA')
●ヴァージンインタラクティブエンターテインメントの仮想ペット飼育ソフト「クリーチャーズ」

 日経産業新聞2面には、英ヴァージングループのヴァージンインタラクティブエンターテインメント(日本)が、インターネット・バーチャルペットのソフトを販売する記事が掲載された。インターネット上でインタラクティブ性を上げたゲームのようで、(やはり誰もが思うのだろうが)コセプト・ベースは「○○ごっち」に近いものを感じる。

 こういったネット対応のゲームソフトはもっと多く出回ってもいいと思うのだが、やはり各家庭への通信回線の細さがネックとなっているのだろう。したがって、現状では「○○ごっち」のような一定間隔のインタラクティブ・ゲームが日本のインフラ状況には合っているともいえ、いい所(マーケット)を狙ったゲームソフトかも知れない。

 AIを応用した飼育ソフトでは、富士通が開発した「TEO-もうひとつの地球-」(internet Watch記事参照)が先行しており、イルカと鳥を合体させたような”フィンフィン”なる動物(?)と仲良くなれるゲームなのだが、このゲームはどんなキャラクターで楽しませてくれるのだろうか。


[バーチャル・リアリティ]([新連載])(レベルA)
センサブル・テクノロジーズ「ファントム」(新サイバー企画「モダンタイムス2001」

 日経産業新聞1&2面には、米ベンチャー企業のセンサブル・テクノロジーズ社の「ファントム」の特集記事が掲載された。3D映像の感触や重さを指などに直接感じさせる事が出来る装置ようだ。

 細かい詳細は特集記事を読んでいただきたいが、今まさに必要とされる技術ではないだろうか。この機器(又は理論)を使えば、ヒューマン・インターフェースがプア(貧弱)なパソコン機器に、”触った感じ”という触覚を与えることとなり、インターネットに流れる情報も驚くほどリアルになるに違いない。

 この様な、これまではもしかしたら夢のようであった技術などを取り上げる特集「モダンタイムス2001」を日経産業新聞は4月7日から始めており、昨日はAIでレオナルド・ダ・ビンチの頭脳を再生しようとする試みを紹介していたりと、これまでのインターネットを中心とした特集「サイバースペースの未来」とはまた違った、半歩(一歩?)先行く技術特集となりそうなので、今後の記事も期待できそうだ。


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