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1997年4月25日版


HEADLINE 3 articles

NTTドコモが携帯電話とPDAを一体化した複合端末発売
中国・連想集団、北米パソコン市場に参入
NECのIEEE1394準拠のICをサンプル出荷予定


[携帯電話+PDA](レベルA')
NTTDoCoMoのデジタル携帯電話とPDAを一体化した複合端末発売


 日経産業新聞9面には、NTTDoCoMoが今秋にも、デジタル携帯電話とPDAを一体化した複合端末を発売する記事が掲載されている。
 PHSとPDAの複合端末は既に、松下電産のPHS内蔵携帯情報端末である「パーソナルコミュニケーター“ピノキオ”」internetWatch記事及び、PCWatch記事参照)や、東芝「GENIO(ジェニオ)」internetWatch記事及び、PCWatch記事参照)など、PHSとPDAの複合機が出てきており、「GENIO」のように32kbpsデータ通信対応機種が続々と発売されてくるだろう。その対抗上、携帯電話も複合機を出してこざるを得ないことは明かだ。
 NTTドコモでは、最高伝送速度が28.8kbpsのパケット通信サービス「DoPa(ドウーパ)」3月28日から始めており(internetWatch記事参照)、このサービスを拡大するためにもこういった機器が必要だろう。
 他にも、インターネットメール送受信システム「10円メール」のサービス開始を5月1日に予定(internetWatch記事参照)していたり、モバイルコンピューティングラボも4月25日から新宿NSビル7Fにオープンしているので、今後の携帯電話によるモバイル・コンピューティング分野での巻き返しが注目される。



[PC][国際市場](レベルA')
●中国・連想集団、北米パソコン市場に参入


 今日の日経産業新聞1面トップには、中国のパソコンメーカーの連想集団が、米ソース・ワン社を通じて北米地域へパソコンを輸出するようになる記事が掲載された。Web上の円グラフでも、96年度の中国でのパソコン・シェアで連想集団がコンパックをわずかに抑えて1位となっており、その定着度が分る。
 中国が21世紀において、世界的にも一番に経済的成長を遂げる地域であることは、色々な経済学者や国際アナリスト達が口を揃えて唱えており、またここ数年、日本も含めた諸外国の企業も中国市場の成長を見込んだ工場や支店などの進出を倍々で増加させてきている事実からも、そのことは疑う余地が少なくなってきている。そういった中で、DOS/V機というハイテク分野の中でも台湾メーカーがすぐに飛びついたような、比較的人件費などで価格が決まる部分から世界市場に入ってくることは、その労働人口のバックボーンの大きさなどから考えれば、たとえ二番煎じと言われようとも、中国の一番の強みで勝負してきたと言え、他パソコンメーカーにも将来的な脅威を与えるものとなろう。
 韓国や台湾のハイテク産業がもう一つ伸び悩んでいるのは、自らの市場と労働人口のキャパが少ないためであることを考えても、中国がNEISを尻目にサッとアジアの技術先進国のトップに立つことも考えられ、まずは今年夏の香港返還後の中国の動きなどから、その可能性を推し量っていくべきなのだろう。



[IC][IEEE1394](レベルA')
NECのIEEE1394規格に準拠したICをサンプル出荷する予定


 日刊工業新聞1面トップには、NECがIEEE1394(マルチメディア対応高速シリアルインタフェース規格で、ファイヤーワイヤ規格がおおもと)用のICチップのサンプル出荷を予定している記事が掲載された。音楽などの嗜好でデータ検索してくれるエージェント技術で有名な米ファイヤーフライ社とも、動作試験などで協力関係にあるらしい。
 「ファイヤーフライ」は、米MITのメディア・ラボで開発されたインテリジェント・エージェント技術で、口コミ情報(Word ofMouth)をデータベース化して使うことなどで著名なのだが、それとIEEE1394が結び付いているとは想像が出来なかった。そこで関連記事として、同じく日刊工業新聞12面に掲載された、ケンウッドが米ファイヤーフライのデジタル接続規格「IEEE1394」の認証プログラムに参加したという記事を読むと、その内訳がおぼろげながら見えて来た。
 まず、ファイヤーフライの名前の由来が、このIEEE1394規格のおおもとの「ファイヤーワイヤ」から来ているのだろうということは想像に難くない。そして、MITのメディアラボから独立してベンチャーとしてファイヤーフライ社を立ち上げるときに、エージェント技術の他に、このIEEE1394規格自体の権利も持っていったのであろう。
確かにエージェント技術は挑戦しがいのある分野ではあるが、これからどの様に発展していくか、見当も付かない代物でもあるので、IEEE1394規格のような将来性が確実視されているようなキー・テクノロジーも抑えていたということなのだろう。
 現在は、ネットワーク・エージェント会社「ファイヤーフライ」の方が順調に伸びており、IEEE1394関連の事業が表に出てこなかったが、今後はハード(IEEE1394)とソフト(エージョント)両面での発展が期待されるので、ここ数年で著名になったRealAudioのProgressiveNetworks社のような成長が見込める企業にファイヤーフライ社もなりそうな気配だ。



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