ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年9月11日


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インテルの車載用情報機器展開
京セラのPHS-TV電話システム
余談4題:エヌ・ティ・ティ国際ネットワーク/オール・イン・ワン情報サービス/$1000 or 10万円PC/財布型電子マネー「ECOM CASH」



[CPU][車載情報機器](レベルA'
インテルの車載用情報機器展開


 日経新聞13面には、米インテルは仏自動車大手のプジョー・シトロエン・グループと組んで、多機能コンピューターを搭載した自動車を試作したという記事が掲載されている。
 9月9日のインテルのリリース内にも、初めて「Connected Car PC」を使った車載用情報機器を搭載した展示車:シトロエンXsaraを、ドイツ・フランクフルトで開催されている国際的な自動車展示会「Internationale Automobile Ausstellung (IAA)」にて発表したという記述が載っている。「Connected Car PC」はペンティアム・ベースのCPUで、その車載用情報機器を使えば、DVDを使ったカー・ナビや映像再生機、ゲーム機器として使え、データ通信機能を使えば渋滞や天気等の情報を受けたり、電子メールの送受信も可能になるとしている。
 車という閉鎖された居住空間で、カーラジオからカーステレオ、カーTV、カーナビや衛星自動車電話に至るまで、情報機器をどの様に統合していくかというのが、自動車の情報環境整備に取っての課題であったわけだが、そこにインテルが「Connected Car PC」による統合システムを提案することによって、市場参入してきたと言えよう。今後もインテルは車に限らず、色々な生活場面での情報を統合して取り扱うような、現実と情報を結び付けるシステム提案:「Connected PC」構想を強く推し進めていきそうだ。

 昨日の日刊工業新聞11面にも、米モトローラが「Mコア」というシステムLSI用の32bit RISCマイコンを開発し、市場投入するという記事が掲載されており、情報家電や自動車向けの市場を開拓しようとしている動きからも、インテルとしてもこの民生市場でのデファクトを素早く掴みたいとの思惑も働いているようだ。



[PHS][TV電話](レベルB
京セラのPHS-TV電話システム


 日刊工業新聞1面には、京セラが年内をメドに、PHS端末を使ったTV電話システムを発売するという記事が掲載されている。PHS一体型携帯情報端末であるデータスコープ:DS-110に接続して使うようで、DS-110のモノクロ液晶画面が送信側と受信側の映像に2分割されて表示されるらしい。
 もちろん、32kbpsで接続されたデータスコープ同士でなければ映像付き会話も出来ないところだが、小型カメラなどをお互いの端末本体に取り付ける必要もあることから、その装着性も重視されそうだ。携帯端末用の小さなモノクロ液晶で表示するので、解像度も悪いと予想され、流れるような動画再生は期待は出来ないと思われるが、とりあえず相手の顔や周りの状況を見たいというニーズには応えてくれそうだ。
 モノクロ液晶表示を活かすということであれば、実物の相手を見るのではなく、「たまぴっち」のようにキャラクター同士でお話し合いをした方が、都合が良い(可愛い?)方も多いとも思えるのだが。




余談その1:エヌ・ティ・ティ国際ネットワーク9月11日のINTERNET Watch-Web及び4月1日のNEWS Watch参照)
 日経新聞13面&日経産業新聞8面及び日刊工業新聞11面には、NTTが10日、国際回線を自ら保有し専用線などデータ通信サービスを提供する全額出資子会社「エヌ・ティ・ティ国際ネットワーク」を設立すると正式に発表し、郵政相にも認可申請したという記事が掲載された。
 NTTの9月10日のリリースでも、国際第一種電気通信事業会社を設立(資本金:200億円)し、サービス開始予定が99年4月、サービス対地が米、英、中国、台湾、韓国、シンガポール、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシアなどとなっており、「China-US太平洋海底光ケーブルネットワーク計画」なども利用しての国際通信進出になりそうだ。
 これに対して郵政省も同日、NTTの国際電気通信事業を営む法人への出資に関する意見の受付をホームページやパソ通などで9月24日期限で開始しており、こういった早急なる検討が加えられた上での(99年4月からの遅蒔きながらの)スタートとなりそうだ。

余談その2:オール・イン・ワン情報サービス
 日経産業新聞1&2面新サイバー企画コーナーには、「電灯線(光ファイバー or 屋内配線)がネットになる日」と題して、米ペプコ(PEPCO)社等の光ファイバーによるオール・イン・ワン情報サービスへの取組みを紹介している特集が掲載された。
 そのPEPCO社のバックには大手電力会社が付いており、その潤沢な資金が光ファイバー・インフラ整備を後押ししていることも見逃せない事実だろう。優れた情報提供サービスも、中・長期的にサポート出来るバックがいなければ、定着させられないということだろうか。

余談その3:$1000 or 10万円パソコン6月24日のNEWS Watch参照)
 日経新聞17面には、ガス機器メーカーの高木産業が今月下旬から、価格を9万9900円に抑えたデスクトップ型PC「パーパス スーパー デスクトップPC」(本体とモニター、スピーカーのセット)を開発し販売を始めるという記事が掲載された。多分、インターネットPC「PIM-GX166」をベースとしたPCと思われるが、9月8日のPC Watch-Webにもコンパックの低価格デスクトップPC「COMPAQ PRESARIO 2210」が発売されることが掲載されており、日本でも$1000ならぬ10万円PCの時代が訪れようとしている。

余談その4:財布型電子マネー「ECOM CASH」
 日経新聞1面トップには、通産省電子商取引実証推進協議会(ECOM)が共同で作成している電子マネー利用の標準ルール案が明らかになり、ICカードにお金の情報を書き込む「財布型電子マネー」に一度に書き込める金額を3万8千円未満に制限したという記事が掲載された。
 9月11日付けのECOMの発表では、『前払式電子マネー「ECOM CASH」の約款(α版)の公表』となっており、「ECOM CASH」は数万円以内の少額の支払いを意図し、現金換金は出来ないとしているのだが、3万8千円制限の表記はどこにも無いようだ。何だか、分割払いを奨励しているのか、それとも安全のために財布は分けて沢山持てということなのか...(^_^;)



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